お付き合い5年+結婚9年のラブラブ夫婦、冬樹コギ丸さんと暁了さん。2人には、「フツーの夫婦」とは違った、ある特徴がある。
妻のコギ丸さんは、広汎性発達障害・統合失調症(障害者手帳2級)・喘息で、虐待サバイバー。夫の暁さんはうつ病・発達障害。2人は「夫婦でビョーキ」なのだ。
お互いに支え合って生活している、コギ丸さんと暁さん。力を合わせて「ビョーキ」を生き抜く夫婦のあり方を、コギ丸さんがマンガにした。『夫婦でビョーキですが、幸せになってもいいですか?』(ビジネス社)だ。
まず、コギ丸さんの統合失調症の主な症状は幻聴と幻視だ。「死ね」などと言う声が聞こえたり、ただただ誰かに見られている感覚があったり、街中で人を避けたら暁さんに「誰もいないよ」と言われたり......。どこまでが現実かわからなくなり、家の外で幻視を見るとショックで外に出られなくなることもあるそうだ。
暁さんが抱えているうつ病は、病院で勤務しているときに発症した。仕事の忙しさに加えて、上司のいさかいに巻き込まれるなどストレスが重なり、ある朝起きても仕事へ行けなくなったのだ。丸一日寝込み、ほとんど活動できない日々が続いた。現在は退職して治療・リハビリに専念し、家の手伝いなどの活動が少しずつできるようになっているという。
これらの病気に加えて、夫婦とも発達障害がある。どちらも出会った後に発達障害と診断された、いわゆる「大人の発達障害」だ。さらにコギ丸さんには、問題のある家庭で生まれ育ったことによる苦しみもある。
このような困難の中で、2人はどう対処して生きているのだろうか? たとえば、どうしても2人ともダメなときは、引っ張り合わないように距離を置く。そっとしておいてほしいときもあるので、「今」「何を」「どうしてほしい」のかをきちんと確認する。このように、お互いの気持ちを大事にして寄り添う様子が、本書には描かれている。
マンガに加えて、夫婦の主治医によるコラムも収録。さまざまな視点から病気についてと対処法を知ることができる。
たとえ「ビョーキ」でも、幸せを諦めない2人。今苦しい境遇にある多くの人に、生きていく勇気と希望を与える一冊に違いない。
ここまで来るのにたくさんキツイことがあったけれど...
毎回2人で必死にビョーキと向き合い解決してきました
そしてこれからも
今はとっても幸せです
(本文より)
【目次】
第1章 日常の2人
第2章 2人はビョーキ
第3章 コギ丸とご主人の出会い・結婚
第4章 夫婦になってからのこと
第5章 ビョーキの夫婦はやっぱり大変
第6章 それでも私たち、幸せです
■冬樹コギ丸(ふゆき・こぎまる)さん
1986年生まれ。10代からアシスタントとして漫画界に入る。その後、オリジナル漫画を描き始め、20代で漫画賞受賞、30代で商業誌デビュー。現在、月刊連載を執筆中。趣味は読書と釣り。好物は天狗のビーフジャーキー、生ハム、寿司、魚。座右の銘は「できることを、できる人が、できるだけやればいい」「成せば成る。成さねばならぬ。何故為さらぬ」。
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