大人気マンガ『ONE PIECE』の主人公・ルフィは、精神科医が診るとADHDだった!?
マンガ・アニメ・映画などのキャラクターや歴史上の人物がもし精神科外来に訪れたら、精神科医はどんな診断を下すのか? 38のキャラクターと人物を精神医学的に診た本『キャラクターが来る精神科外来』(金原出版)が発売された。あなたの好きなあのキャラクターは、もしかして......?
本書の編著は、自治医科大学精神医学講座の教授、須田史朗さんと小林聡幸さん。コロナ禍の影響で、学生が実際の患者に接する実習ができなくなり、急遽課したのが「物語や歴史上の人物を精神科診断させるレポート」だった。本書は学生が提出したレポートから抜粋し、須田さんと小林さんが検討・考察を加えた内容をまとめたものだ。
たとえば『ONE PIECE』のルフィは、公式ではこんな性格だと説明されている。
性格は楽観的で自由奔放。面白そうだと思えばすぐに行動し、冒険のためなら命の危険もいとわない。また自分一人では航海できないことを自覚しているため、仲間をかけがえのない宝物だと思っている。そんな性格だから多くの人を惹きつけ、仲間からの信頼も抜群なのだ。
(「ONE PIECE.com」公式サイトより)
確かに、「面白そうだと思えばすぐに行動し、冒険のためなら命の危険もいとわない」という表現はADHDの特徴としてよく耳にすることと重なるような気も...。果たして、専門的な見解は?
この他にも、以下のようなキャラクター・人物が医学生と須田さん・小林さんに診断されている。
・野口笑子(ちびまる子ちゃん)はASD?
・夜神 月(DEATH NOTE)、惣流・アスカ・ラングレー(新世紀エヴァンゲリオン)はパーソナリティ障害?
・近藤直弼(半沢直樹)はドラマの中では統合失調症とされているが......
・画家フィンセント・ファン・ゴッホの「耳を切る」ような病気とは?
取り上げられているキャラクター・人物に全て診断がつくわけではなく、中には学生の診断や、作品の公式設定を覆す内容も。精神医学の理解も、好きな作品のキャラクターの解釈も同時に深められる一冊だ。
■目次
Chapter 1 キャラクターと作品世界とそれを診断する視座
・リムル=テンペスト(転生したらスライムだった件)
・サラ・コナー(ターミネーター2)
・里見健一(サトラレ)
Chapter 2 注意欠如・多動症
・メロス(走れメロス)
・野比のび太(ドラえもん)
・剛田 武(ジャイアン)(ドラえもん)
・モンキー・D・ルフィ(ONE PIECE)
・平沢 唯(けいおん!)
Chapter 3 自閉スペクトラム症
・大正天皇
・L(エル・ローライト)(DEATH NOTE)
・野口笑子(ちびまる子ちゃん)
・津崎平匡(逃げるは恥だが役に立つ)
・童磨(鬼滅の刃)
Chapter 4 パーソナリティ障害
・夜神 月(DEATH NOTE)
・りりこ/比留駒春子(ヘルタースケルター)
・惣流・アスカ・ラングレー(新世紀エヴァンゲリオン)
・蓮実聖司(悪の教典)
・ジョン・ゲイシー
Chapter 5 心的外傷後ストレス障害・解離性同一症
・先生(こころ)
・杉元佐一(ゴールデンカムイ)
・南波日々人(宇宙兄弟)
・クレイ・ジェンセン(13 の理由)
・ロールパンナ(それいけ!アンパンマン)
Chapter 6 神経症とその周辺
・ジョバンニ(銀河鉄道の夜)
・クララ・ゼーゼマン(アルプスの少女ハイジ)
・栗花落カナヲ(鬼滅の刃)
・ニコ・ロビン(ONE PIECE)
・成瀬 順(心が叫びたがってるんだ。)
Chapter 7 うつ病・双極性障害
・フィンセント・ファン・ゴッホ
・播磨薫子(人魚の眠る家)
・ウィンストン・チャーチル
・アーネスト・ヘミングウェイ
・織田信長
Chapter 8 統合失調症
・ジャンヌ・ダルク
・近藤直弼(半沢直樹)
・ニナ・セイヤーズ(ブラック・スワン)
・エドヴァルド・ムンク
・李徴(山月記)
あとがき
協力してくれた学生諸氏
INDEX
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