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夫がある日突然、失語症になった。そのとき妻は?

こう見えて失語症です

 失語症ってどんな病気? 名前は聞いたことがあっても、どんな症状なのか詳しく知らない人が多いのではないだろうか。

 脳出血を患った47歳の夫。後遺症で、ある日突然失語症になった――。失語症の夫と、支える妻・米谷瑞恵さんの体験が、マンガ『こう見えて失語症です』(主婦の友社)になった。


 失語症は、脳の一部が損傷し、「読む」「聴く」「話す」「書く」という言葉に関するすべてのことがうまくできなくなる障害だ。たとえば、「りんご」のことは知っていても、「りんご」という言葉を聴くだけでは何のことかわからない、「りんご」と言えないという状態になる。コミュニケーションが難しくなるので、本人が引きこもってしまうことも多い。

 本書で描かれているのは、夫の発症から最初の2年半の、症状が変わっていく可能性のある時期だ。そもそも失語症とは? 家族はどうすればいい? 退院後の生活はどう変わる? コミュニケ―ションはどうする? 仕事には戻れる? 身近な人が失語症になったらどう対応すればよいのかが余さず紹介されている。

 米谷さんは夫の失語症を明るく見守り、決して臆することなく、失語症を理解しない人を巻き込みながらどんどん行動していく。失語症の方を家族に持つ読者は、米谷さんの姿にきっと勇気づけられるはずだ。

 さらに、実は米谷さんは、夫の発症をきっかけに勉強を始め、なんと50歳で言語聴覚士の国家資格を取得した。文章パートでは、妻としての受け止め方だけではなく、言語聴覚士になった今だからわかる、失語症の基本的な知識や夫の行動の理由も解説されている。

 米谷さんの夫の発症から、今年で10年目。この10年の間に「読む」「聴く」「話す」「書く」の障害がどうなったのかということも、マンガと文章で紹介されている。失語症とうまく付き合って生きていくヒントがたっぷりと詰まった一冊だ。


■米谷瑞恵(こめたに・みずえ)さん
言語聴覚士。慶應義塾大学卒業後、出版社に8年間勤務し、フリーライターに。2012年ご主人が脳出血を発症し、後遺症で失語症になったのをきっかけに、自身のfacebookに「ウチの失語くん」を書き始める。言語リハビリの専門家である言語聴覚士という仕事に興味を持ち、49歳で言語聴覚士養成の専門学校に入学。2016年、国家試験に合格し、言語聴覚士資格を取得。現在は言語聴覚士として働いている。電子書籍『ウチの失語くん』、YouTube「失語症チャンネル」で、ご主人と失語症のことを発信中。復職した失語症の当事者会「失語症と仕事を考える会ステップ」を神奈川県川崎市で開催している。


※画像提供:主婦の友社


   
  • 書名 こう見えて失語症です
  • 監修・編集・著者名米谷瑞恵 著/あらいぴろよ イラスト
  • 出版社名主婦の友社
  • 出版年月日2022年10月 4日
  • 定価1,650円(税込)
  • 判型・ページ数A5判・200ページ
  • ISBN9784074502301

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