夏休み真っ盛り、みなさんはいかがお過ごしだろうか。まだ読書感想文の本が決まっていなくてやばい......! というお子さんもいるかも。今回は、小学5・6年生の読書感想文におすすめの本を紹介しよう。
『ぼくの弱虫をなおすには』
K・L・ゴーイング 作、久保陽子 訳、早川世詩男 絵/徳間書店
まずは、青少年読書感想文全国コンクールの課題図書から一冊。
舞台は50年前のアメリカ、ジョージア州。小学4年生のゲイブリエルは、5年生に進級するのがこわい。5年生になると、いじめてくる上級生たちと同じ校舎になるから。親友のフリータはゲイブリエルの弱虫を克服するための作戦を練るが......。
子どもたちの「こわいもの」の背景にあるのは、人種差別や経済格差など、当時のアメリカの社会問題だ。現在も、世界中のたくさんの国で同じ問題が続いている。子どもの日常の視界から社会問題を身近に感じ、学び、考えることができる作品。
『モモ』
ミヒャエル・エンデ 作、大島かおり 訳/岩波書店
世界の児童文学の金字塔。もしかしたら、親御さんの中にも子どもの頃に読んだという方がいるかもしれない。
円形劇場の廃墟に住みついた不思議な少女、モモ。モモは人の話を聞くのに長けていて、町の人々はみんなモモに話を聞いてもらいに通っていた。ところがあるとき、町に「灰色の男たち」がやってくる。灰色の男たちは、「時間を貯蓄に回すと高額の利子がつく」と言いくるめ、町の人々の「時間」を奪っていく。友達が来なくなったことを不思議に思ったモモは、人々を訪ねて回るが......。
約50年前の作品にもかかわらず、現代の社会に刺さる寓意が込められている。灰色の男たちに立ち向かうモモとの出会いは、子どもにとって忘れられない読書体験になるはずだ。
『5000キロ逃げてきたアーメット』
オンジャリ・Q・ラウフ 作、久保陽子 訳/学研プラス
ある日、アレクサたちのクラスに一人の男の子が転入してきた。その男の子は、誰とも話さず、笑わず、遊ばない。転入生の様子を不思議に見ていた生徒たちの間で、やがて彼に関するよくない噂が飛び交うようになり、ついにはいじめにまで発展してしまう。
転入生がそんなふるまいをするのには理由があった。彼は、シリアからはるばるロンドンまで逃げてきた難民だったのだ。
はじめはとまどっていたアレクサは、次第に問題を理解し、アーメットに心を寄り添わせるようになる。子どもたちの友情を通して、戦争や難民の問題を身近に感じ、「自分には何ができるか」と考え始めるきっかけとなる作品だ。
『十二歳』
椰月美智子 著/講談社
小学6年生のさえは、たくさんの友達に囲まれて、大好きなポートボールに打ち込む、楽しい毎日を過ごしていた。
でも、突然何かがずれ始めた。頭と身体がちぐはぐで、なんだか自分が自分でないような気がする。いきなりやってきた頭痛、そして不安。無邪気な子どものふりは、もうできない。
第42回講談社児童文学新人賞受賞作品。思春期に突入する12歳の心の変化が、緻密に描かれている。ちょうど同じ年頃のときに読むことでしか得られない感情があるはずだ。本作を通して見つめた今の自分を、読書感想文につづってほしい。
読書感想文を書くときは、こちらの本を参考にしてはいかがだろう。
『めんどくさがりなきみのための文章教室』
はやみねかおる 著/飛鳥新社
「名探偵夢水清志郎事件ノート」「都会のトム&ソーヤ」などの大人気児童書シリーズを生み出してきたはやみねかおるさんが、文章の書き方を教えてくれる本だ。
・めんどくさく感じるのは、才能がある証拠!
・書くことが「ない」人なんていない!
書くことに「気がつく」コツを知らないだけ
・気持ちは「記号」にしてから文章にすると、なぜか伝わる
・まずたくさん書いて、いいところだけを残す ...etc.
作文がめんどくさくて仕方がない男の子・健が、ダナイという奇妙な猫に出会い、文章を書くコツを教えてもらうという物語形式。物語を読むだけで、文章がスラスラ書けるようになる!
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