たまたまかもしれないが、これまでに出会ったグラフィックデザイナーは、みな几帳面というか、片づけ上手な人ばかりだ。事務所を訪ねると、本棚にはデザイン関係の書籍が整然と並び、デスクの上にもムダなモノは何もない(記者のデスクとは大違い!)。クリエイティブな作品は、こうした空間で生み出されるのかと感心したものだ。
整理された部屋に憧れ、一念発起してモノを減らしても、雑然とした感じがなくならないのは、クリエイティブな視点が足りないからかも。片づけの極意は、デザイナーに学ぼう。
『クリエイティブ整理・収納術』(クロスメディア・パブリッシング)は、グラフィックデザイナーのTSUN(つん)さんによる、「仕事も暮らしも快適にする」整理・収納術だ。
TSUNさんは、パッケージデザインやWEBデザインなどの広告制作を手掛けるグラフィックデザイナー。リノベーションをきっかけに「快適な暮らし」をテーマにしたウチブログを開設した。YouTube「uchilog」は、登録者数6.3万人を突破する人気チャンネルだ。
ミニマリストやシンプリストといった生き方がもてはやされ、「モノを極力持たない」文化が広まっているが、TSUNさんは、「モノを減らすだけでは快適にならない」と指摘する。モノは持たなくなったといっても、ほんとうに極限まで切り詰めている人は少ない。モノが適度にある状態のなかで、モノを整理する、収納するというのは、永遠のテーマだ。
本書ではそんな、上手に片付けられない人々に対して、さまざまな角度からアプローチし、それぞれの快適を見つけられる工夫をしている。
たとえば、ワードローブの並べかたひとつとっても、シンプルな工夫で、クリエイティブな空間に変わる。どんな服を買い足そうか、こんなコーディネートがいいかも、と発想が広がる。
また、デッドスペースをどう活かすかで、片づけスキルはぐんと上がる。突っ張り棒などを利用すると、思いのほかたくさんのモノを整理・収納できる。
100均など身近で安く手に入る「突っ張り棒」「100均ワイヤーネット」「有孔ボード」「マグネット」「ブックエンド」「紙や箱の再利用」を使って、空間をクリエイティブに活かしていく方法も掲載。
クリエイティブな整理と収納術を駆使して、自分史上、最高に快適な暮らしを楽しんでいこう。
本書の構成は下記の通り。
はじめに 快適空間はクリエイティブな発想で
第1章 お家ストレスの原因を突き止めよう
第2章 モノの量を最適化しよう
第3章 収納方法を見直そう
第4章 工具不要! カンタンDIYで収納をカスタマイズ
第5章 インテリアや家具の配置を見直そう
■TSUN(つん)さんプロフィール
Tsugiko Nagasaki/グラフィックデザイナー/1969年生まれ。東京都出身。広告代理店、デザイン事務所を経て1999年に独立。大手メーカーのSP広告、パッケージデザイン、WEBデザイン他、数多くの広告制作に携わる。リノベーションをきっかけに「快適な暮らし」をテーマにしたウチブログを開設。YouTubeチャンネル「uchilog(ウチログ)」は1年9カ月で登録者6.3万人。ライフスタイル、インテリア、掃除や家事を少しでもラクにするためのアイテムやアイデアの動画を発信し、着実にファンを増やしている。
第9回ESSEインテリアグランプリ審査員賞受賞/リノベりす2016年リノベ人気事例1位/relife×SUVACO・リノベりすインタビュー/RoomClip大人のナチュラルインテリア/ねこのきもち インテリア特集/台所図鑑などメディア掲載多数
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