すっきりと片付き、広々としたリビング。キッチンにもテーブルの上にも余計なものは何一つ置かれていない。てっきり、まめに片づけをしているミニマリストのお宅かと思ったら......
実はこの部屋、掃除も片づけも嫌いな「散らかり部屋出身」のインスタグラマー、akiさんが、「ずぼら」を極めた結果、こうなったという。
以前は散らかり放題の部屋に住んでいたというakiさん。「服は脱ぎっぱなし(そのまま着られるから)」「靴は脱ぎっぱなし(そのまま履けるから)」「掃除をすると、次に着替えるときに手間がかかるから、やらない」というずぼらっぷり。
そんなakiさんが収納に目覚めたのは、結婚、出産を経て、家族から「あれどこ?」などと聞かれることが増えたことがきっかけだったという。とはいえ、「なるべく動きたくない」というずぼらな性格はそうそう変わるものではない。akiさんはそれを逆手にとって、「瞬間で動作が完結できる、ノーストレスな収納の仕組み」を考案。ストイックにずぼらを突き詰め、たどり着いた収納術を一冊にまとめたのが本書、『1秒片づけ』(学研プラス)だ。
akiさん流収納術の考え方は、とてもシンプルだ。「なるべく動かずに済むこと」を第一に、動線を考えてものを配置し、ムダな動きをとことんカットする。
ずぼら収納は、自分が座る位置や立つ位置から、手を伸ばせば届く範囲に物を置くのがポイントだ。朝食の準備は、キッチンで行ったり来たりをなくすため、冷蔵庫→コンロ→食器棚→食卓と、必要なものをピックアップしながら一直線に進めば準備ができるよう、食材や道具の置き場を考える。また、朝食中に「ママ、あれ取って」と言われた時に、いちいち立って取りにいかずに済むよう、マグネットケースやフックなど「浮かせる」収納グッズをフル活用する。
強力アクリル両面テープは「浮かせる」収納で大活躍する。ネットやフック、袋をテープでとめれば、簡単に収納場所ができあがる。のりが残らずきれいにはがせるので、ものに直接貼り付けることも可能だ。
akiさんは、食卓の天板の裏に両面テープを貼り、そこに粘着フックとネットを使って簡易収納を自作。お子さんの勉強用の引き出しとして活用している。また、靴箱には袋を貼り付け、使用済みマスク入れに。
いたるところにペタペタ貼っていくとごちゃごちゃしそうな気もするが、白で統一したり、目隠しをしたりといった工夫で、スッキリ感を維持している。何より「出しっぱなし」がなくなることで、散らかることがなく、必要なものが「肝心な時に見つからない」といったこともなくなる。
本書では、「片付けられない」タイプ別に、どうやって収納を考えればうまくいくか、ヒントが掲載されている。まずはあなたの部屋の「めんどくさい」を把握しよう。書き出してみると、意外な「めんどくさい」を発見できるかも?
日々のちょっとした工夫で、毎日が劇的に快適になる。本書には、試してみたくなるテクニックが満載だ。どんなにずぼらなあなたも、読めば片づけたくなって、うずうずしてくるに違いない。
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