ダマになったり、粘りがですぎたりして、失敗しやすいホワイトソース。缶詰ですませてもよいけれど、たまには手間と時間をかけて、おいしいグラタンやクリームコロッケを作りたい。
そんな方におすすめの1冊が、『一流シェフのレシピ大全』（世界文化社）。
本書では、和食・天ぷら、フレンチ、イタリアン、洋食、チャイニーズ、韓国家庭料理、インド料理と、各料理ジャンルを代表するシェフ14人が、本気で料理を伝授していく。
では早速、本書から失敗しないホワイトソースの作り方を紹介しよう。
料理の上達のコツは「やり方を覚える」のではなく「理由を知る」ことだという。シェフは当たり前にやっていることだが、一般にはあまり知られていないテクニックも紹介していく。
なめらかなホワイトソースのコツを教えてくれるのは、「レストラン大宮」のオーナーシェフ、大宮勝雄さんだ。
ホワイトソースづくりにも、家庭では普段、あまりやらないテクニックがある。それが、電子レンジを使うことだ。
材料（でき上がり量 約500g）
牛乳――2カップ
バター――50g
薄力粉――50g
作り方
①薄力粉は耐熱ボウルに入れ、電子レンジ（600w）に30秒かけ、取り出して混ぜる。同様に数回繰り返してそのつど混ぜ、サラサラの状態にする。
②①を目の細かいざるでふるう。牛乳は人肌よりやや熱めに温める。
③厚手の鍋にバターを入れて中火にかけ、焦がさないように木べらで混ぜながらバターを溶かし、ふつふつと沸いたら②の薄力粉を一気に加える。
④混ぜながら、なめらかな状態にする、焦がさないようにいったん火を止めてから、粉を加えて混ぜてもよい。
⑤④に②の牛乳の半量を玉じゃくしで1杯分ずつ加え、そのつど混ぜ、全体をまとめる。
⑥火を止め、空気に触れないようにラップを密着させて約15分おく。
⑦弱火にかけ、⑥に残りの牛乳を少しずつ加えて混ぜる。
⑧ある程度まとまった量になってくる。
⑨泡だて器に持ち替えて沸騰するまで手早く混ぜ、鍋底が見えるようになったらでき上がり。
①で、薄力粉がサラサラになったら、火が入った証拠だ。指で押すと片栗粉のような乾いた音がする。
大宮シェフからのメッセージ
粉をレンジにかけるときは、こまめに取り出して様子を見てください。油断すると色づいてしまいますよ！ 加熱するときは厚手の鍋を使うと焦げにくいです。
本書には、銀座ろくさん亭の道場六三郎さん、分とく山の野崎洋光さん、オテル・ドゥ・ミクニの三國清三さんら、レジェンドシェフが名を連ねている。きちんと覚えたい和食から、人気の洋食、作りたくなるチャイニーズ、韓国の家庭料理、スパイスをきわめるインド料理まで、プロのテクニックを学べる。
大きな特徴は、ページから声が聞こえてくるようなライブ感だ。シェフがすぐ隣で教えてくれる料理教室をイメージして、それぞれの工程の意味を丁寧に解説していく。
本書の目次は以下の通り。
1. レジェンドシェフが学んでほしい料理
道場六三郎（銀座ろくさん亭）／野崎洋光（分とく山）／三國清三（オテル・ドゥ・ミクニ）／吉川敏明（エル・カンピドイオ）／脇屋友詞（ Wakiya一笑美茶樓）
2. きちんと覚えたい和食
野崎洋光（分とく山）／奥田 透（銀座小十）／笠原将弘（賛否両論）／近藤文夫（てんぷら近藤）
3. 人気の洋食・ビストロ・イタリアン
大宮勝雄（レストラン大宮）／七條清孝（レストラン七條）／吉川敏明（エル・カンピドイオ）／西口大輔（ヴォーロ・コズィ）
4. 作りたくなるチャイニーズ
脇屋友詞（ Wakiya一笑美茶樓）／菰田欣也（4000 Chinese Restaurant）
5. 韓国の家庭料理
柳香姫（妻家房）
6. スパイスをきわめる！ インド料理
ナイル善己（ナイルレストラン）
しっかりと料理を学びたい人にはぜひ手に取ってほしい、ずっと使うことのできる本気の1冊だ。時間はかかるかもしれないが、本書のやり方を真似すれば絶対に美味しい料理ができる。おもてなしの際にもオススメだ。
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