新しく服を買うのではなく、今ある手持ちの服をよりおしゃれに着こなす技を解説する1冊、『手持ちの服でなんとかなります』(杉山律子 著/サンマーク出版)。
前回に引き続き、本書から、すぐに実践できる着こなしテクニックを紹介する。今回は、服プラスαで工夫できる部分に焦点を当てたい。
著者であるパーソナルスタイリスト・杉山律子さんは、全身のコーデに「抜け感」を出したいとき最も簡単なのが、パンプスを履くことだと断言する。
「ヒールは低くてもOK。足の甲を見せることで、抜け感だけでなく、脚全体が長く、きれいに見えます」
中でも、足の指がギリギリ見えるくらいの「履きこみが浅い」もので、つま先が尖った「ポインテッドトゥ」を最もおすすめしている。さらに、スウェード素材は意外に水にも強いそう。雨のよく降る今くらいの時期にもぴったり。
さらに、夏ならサンダルも万能だ。「足全体が抜け感のようなもの」と、杉山さん。ベースカラーで、甲の部分に横に1本ベルトがあるくらいの、シンプルなものが良いそうだ。
足もとの次に意識したいのが、アクセサリー。特に、ネックレスは、トップスのネックラインとの相性を工夫することでぐっとおさまりが良くなるという。
コツは、「トップスのネックラインと異なる形状のネックレスを選ぶ」こと。たとえば、クルーネックの首元には、VラインのペンダントネックレスやY字のロングネックレス。Vネックの服や、ボタンを外したシャツの胸元には、ラウンドタイプのチェーンネックレス......という具合だ。ボートネックやタートルネックには、どんな形のネックレスも合わせられる。
いつものコーディネートも、ネックレスをひとつ付け足すだけで、違った印象になるのでは。
さらに、杉山さんは、「新しい服を買うくらいなら、そのお金で美容院に行こう」という項目の中で、髪がファッションに与える影響の大きさを力説している。
「ファッションの本ですが、いや、ファッションの本だからこそ言わせてください。着こなし力と同じくらい重要なのは、髪です」
「髪型によって似合う服が増えもすれば、何を着てもおしゃれに見えなかったりもするからです」
だからこそ、おしゃれになるために新しい服を買うのではなく、そのお金で美容院へと足を運ぶのはどうだろう。
そのときにやるべきは、SNSや雑誌から気に入ったコーデを選び、そのモデルの髪型やヘアアレンジの共通点を探すこと。そして、真似するにはどうすればいいか、美容師さんに相談するのだ。
本書は、服の着こなしテクニックだけでなく、まさに頭のてっぺんからつま先まで、おしゃれになるためのちょっとした「ひと工夫」を網羅している。季節の変わり目で毎日のコーデに悩みがちな人も、きっとヒントが見つかるだろう。
■杉山律子さんプロフィール
パーソナルスタイリスト/一般社団法人スタイリストマスター認定協会代表。顔立ちや体型、内面からのぞく雰囲気に合わせた「一番、素敵に見えるスタイル」の提案に定評がある。著書に『クローゼットは3色でいい』『ファッションの主役は1つ』(KADOKAWA)がある。
(文・犬飼あゆむ/ライター)
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