まもなく5月。すっかり過ごしやすく......と思いきや。朝晩の気温差が激しく、真夏のように暑い日と、ぐんと寒い雨の日が順番にやってきて、服装に困ることも。そんなお悩みへのアドバイスを人気のパーソナルスタイリスト・杉山律子さんの著書『手持ちの服でなんとかなります』(サンマーク出版)から紹介しよう。
本書では、新しい服を買うのではなく、「手持ちの服」でその人の個性と魅力を引き出す着こなしのコツを、豊富な写真とともにわかりやすく紹介している。
今回、紹介するテクニックは3つ。
まずは、この季節に重宝する定番アウター、トレンチコートを着こなすポイントを紹介しよう。
こちらのコーデ、よく見かけるスタイルだが、実はNG。どこがNGなのかというと......?
杉山さんは、「トレンチは主役」と強調する。コーデをまとめるには、主役を引き立てるため、他のものは脇役でそろえるのがコツだ。
一番やりがちな失敗例として挙げられているのが、上の写真のように、トレンチに襟付きシャツを合わせてしまうパターンだ。首元が襟+襟でしつこい印象になってしまう。首まわりは、襟付きシャツやVネックなど、 トレンチの襟のラインとぶつかるアイテムは避けるようアドバイスしている。
こちらが、OKパターン。
ボタンを閉じて、ワンピースのように着こなす。インナーは写真のようにシンプルなものがおすすめだ。
次に押さえておきたいのが、カーディガンの活用法。トレンチを着ると少し暑いけど、トップス1枚では心もとない......そんなときに重宝するのが、クルーネックのカーディガンだ。でも、そのまま着るとなぜか野暮ったくなってしまうことも。
杉山さんのおすすめは、カーディガンの袖を結び、斜めに羽織る方法だ。羽織るときは左右非対称に、またカーディガンが肩甲骨あたりにくるようにすると、後ろ姿がきれいに見える。
気温が上がると、長袖シャツ1枚でも汗ばむ場面も。本書は、「腕まくりのプロのコツ」として、ハリ感のあるシャツをこなれて見せる、腕まくりの仕方も伝授する。
「ただの作業のための腕まくりになるか、服にいい表情が出る腕まくりになるかにもちょっとした違いがあります」
まず、カフス以外のボタンは全て留め、折り目の位置が手首と肘の中間くらいになるように、ざっくり大きく折る。
そして、袖部分が2~3センチ残るよう、さらに2回小さく折る。ここでラフさを残すのがポイント。
仕上げに、袖部分をくしゃくしゃと遊ばせよう。こうすることによってこなれ感が出て、服にいい表情が生まれるという。
杉山さんは、ほとんどの人はファッションが「アイテムありき」だと思い込んでいると指摘する。言われてみると、確かにそうかも......。新しい服を買わなくても、すでに持っている服がほんのひと工夫でぐっとおしゃれになる。そんなおしゃれのコツを、ぜひ実践してみてほしい。
本書の目次は次の通り。
STYLE1 手持ちの服を着こなす
STYLE2 服選びのしんどいをなくしたい
STYLE3 「なんかダサい」を回避する
STYLE4 大人は黒を引いて白を足す
STYLE5 安くたって、ちゃんと、おしゃれ
STYLE6 「服はあるのに着れる服がない」を防ぐクローゼット
次回は、手持ちの靴やアクセサリーを上手に使いこなすコツを紹介する。
■杉山律子さんプロフィール
パーソナルスタイリスト/一般社団法人スタイリストマスター認定協会代表。顔立ちや体型、内面からのぞく雰囲気に合わせた「一番、素敵に見えるスタイル」の提案に定評がある。著書に『クローゼットは3色でいい』『ファッションの主役は1つ』(KADOKAWA)がある。
(文・犬飼あゆむ/ライター)
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