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下血しても「感染怖いから病院行かない」 動かぬ夫に、妻は...?

 医療にまつわるコミュニケーションギャップを改善するために、神奈川県横浜市が主催している「医療マンガ大賞」をご存じだろうか。

 市民が医療を他人事ではなく「自分ゴト」として捉えられるよう、民間企業と連携しながら医療広報を行う「医療の視点」プロジェクトの一環として取り組んでいるものだ。

 第3回となる2021年は、コロナ禍での課題や医療への視点の違いを描くテーマなど8つのエピソードを協力企業と連携して用意。

募集テーマ
1 コロナ禍でのある施設
2 がん対策 大腸がん検診
3 医療コミュニケーション 心房細動の治療
4 医療に関する 言葉にしないと伝わらないこと

 上記4テーマに「医療従事者視点と介護従事者視点」「慰労従事者視点と患者家族視点」など2種類のエピソードをもとにマンガを描いて応募、全8部門の中から入賞作、そして大賞が選ばれる仕組みだ。

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 審査員は、人気マンガ家のおかざき真里さんやこしのりょうさん、編集者の佐渡島庸平さんや現役医師ら7人。プロ・アマ問わず85本の作品が集まり、12月初旬に大賞1作品・入賞7作品が発表された。

コロナ禍のがん検診の受診控えで早期がん発見が減っている

 入賞作は、下記の通りだ。
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 大賞は、「がん対策 大腸がん検診」を患者家族視点で描いたミューさんの作品。患者の感染不安や葛藤によるコロナ禍の受診控えについて、温かいタッチで描いている。

 

 ある日、便に血が混じっているのを発見した夫。だが、「コロナがもう少し収まってから、病院に行ったら濃厚接触者とやらがいそうだ」と動かない。昨年もがん検診を受けていない。心配した妻が通院先の医師に相談すると、大腸がんの可能性もあるから早めの受診を勧め、感染対策について説明。夫は、ようやく重い腰を上げた。続きは、下記の「医療マンガ大賞特設WEBサイト」で確認しよう。

医療マンガ大賞特設WEBサイト
https://iryo-manga.city.yokohama.lg.jp/

審査員のコメントや過去の入賞作も掲載

 特設サイトでは、上記8作品以外にも特別賞11作品も公開している。全審査員のコメントも全文掲載しているだけでなく、エピソードごとの応募者全員の作品も見ることができる。

 審査員のひとり、マンガ家のおかざき真理さんのコメントを紹介しよう。

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 コロナ禍の中、医療や介護の現場で起きていたことが、マンガでわかる。介護施設にいる入居者の不安、感染が広がる現場は人手も足りず入居者に十分な世話ができずに苦しむ介護従事者。家族とも離れ、過酷な勤務、その窮地はどのように救われたのか。

 普段気づくことができない医療に携わる人の思い、患者の遠慮やどうしても病院に足が向かない気持ちなど、双方の視点からコミュニケーションギャップを解消する作品を、ぜひ見てほしい。

 

 第1回と第2回の作品も、このサイトから見ることができる。


※画像提供:横浜市医療局

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