気になるあの人は、どんな本を読んでいるのか。
11月1日発売の「AERA」(朝日新聞出版)が、「16人の人生を支える本80冊」と題し、書籍を特集した。本好きの著名人16人にインタビューし、それぞれ5冊のオススメ本を聞いた。
特集トップに登場したASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文さんは、以下の5冊を選んだ。
・町田康『東山道エンジェル紀行』(左右社)
・川上未映子『夏物語』(文藝春秋)
・松村圭一郎『くらしのアナキズム』(ミシマ社)
・永井玲衣『水中の哲学者たち』(晶文社)
・パトリース・カーン=カラーズ、アーシャ・バンデリ『ブラック・ライブズ・マター回顧録』(青土社)
町田康さんについて後藤さんは、「とくに好きな作家の一人」と言う。推薦した『東山道エンジェル紀行』も「ギリギリ笑い飛ばせないところが絶妙」と絶賛し、「寺門孝之さんの絵画もついているので、電子書籍ではなく実物の本として手に取る意味がある作品だと思います」と語った。
また、川上未映子さんの『夏物語』については、「同じ時代を生きる一人の人間として、内側から射抜かれる作品です」と評価。「登場人物たちの感覚がビビッドに自分の内側に入ってきて、精神のウェットな部分に足跡をつけられていく感じがしました」と読後感を語った。
読書家として知られるお笑い芸人の箕輪はるかさんは、エマニュエル・ボーヴ『ぼくのともだち』やキャロライン・クリアド=ペレス『存在しない女たち』などをセレクトした。
・山尾悠子『夢の遠近法』(ちくま文庫)
・エマニュエル・ボーヴ『ぼくのともだち』(白水Uブックス)
・岸本佐知子『なんらかの事情』(ちくま文庫)
・キャロライン・クリアド=ペレス『存在しない女たち』(河出書房新社)
・コマツシンヤ『睡沌氣候』(青林工藝舎)
『ぼくのともだち』は、「貧乏でモテなくて悲壮感のある若い男なんですけど、とにかく性格がめちゃくちゃ悪い。友達になってほしいと願っているくせに、相手を見下したり」と主人公をこき下ろしつつ、「『なんて器の小さい人間なんだろう』と思うんですけど、でも自分にも思い当たる節があるんですよね」と思わず共感してしまうことから推薦した。
『存在しない女たち』については、「客観的なデータから男女格差を示していくんですが、『社会はこんなにも女性のことを考えていないのか!』という驚きと発見がすごかったです」と語った。
同特集にはさらに、テレビ朝日アナウンサーの弘中綾香さん、YouTubeチャンネル「有隣堂しか知らない世界」MCのR.B.ブッコローさんなどの本好きが登場し、それぞれの視点からオススメ本を選んだ。
なかでも、マンガイラストレーターのフクチマミさんは、子育てをする親たち向けの書籍という観点からセレクト。小川大介『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』(KADOKAWA)、小田真規子・大野正人『ズボラ―さんのたのしい朝ごはん』(文響社)などを選んだ。
『頭のいい子――』は、「先の見えない日々の中で、子どもを見守り信じることの難しさを感じたときに」読んでほしいとし、『ズボラーさん――』は、「『全然ダメじゃないよ! 息してればOK! おいしいもの食べて自分を労ろう~』とアゲてくれる」と語った。
今号にはそのほか、嵐の櫻井翔さんのインタビュー、眞子さん結婚と愛子さまの「12・1会見」についてのコラム、TikTokと神経障害の関係を調べた記事などが掲載されている。
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