「考えるイラストレーター」としてSNSを中心に活動している「描き子」さんが、9月10日、『女と男、このしんどさは誰のせい?』(永岡書店)を発売した。本書は、cakesで連載中の人気マンガ、「男と女、どっちもつらいよ」を大幅に加筆修正し、書籍化した作品だ。
描き子さんは、30代既婚、子どもと夫との3人暮らし。仕事と育児の両立で大忙しのワーキングマザーだ。思春期のころから、「女だから」「女のくせに」と言われ続け、息苦しさを感じていた。「好きで女に生まれたわけじゃないのに」と男性に訴えると、「男だって大変だよ」「女はいいじゃん、得だよ本当に」という人が多い。そこで描き子さんは、男性の訴える「男性の苦しみ」がいかなるものか、真剣に観察することにした。
本書では、「女なんて...」「これだから男は...」など、恋愛、結婚、育児、仕事の場でときに起こる考え方の違いや、誤解で生まれてしまう男女間のすれちがい、いがみ合い。双方に悪気はないのになぜか起こってしまう男女間の対立について、描き子さんが客観的に考察していく。各話の最後には、男性の友人たちとの意見交換も収録されており、読みごたえがある。
たとえば共働きで子育て中の夫婦。家事育児の分担でもめる原因の1つに「レベルの違い」がある。洗濯物の干し方や掃除の仕方、おむつ替えのタイミングやお風呂の入れ方など、夫のやり方に「テキトーすぎる!」と不満を抱く妻は多い。描き子さんは、「家事育児はマメにやるべき」という一般論があるため、テキトー派は肩身が狭くなりがち、と指摘する。どちらも自分のやり方が「普通」と主張していると、議論は平行線に。一般論はさておき、「レベルを共有することで歩み寄りたいですね」と描き子さんは言う。
2020年から続けてきた連載がこうして一冊の本としてまとまることで、これまで描いてきた男女の苦しみの構造と対比について、一層わかりやすく、楽しく読んでいただけるものになったと思います。
「男/女って、どうしてこうなの!?」そんな疑問を解消するためのひとつのヒントとして。男女の話し合いの足がかりとして。女子会・男子会の酒の肴なんかにもいかがでしょう。男女問わず、たくさんの方に手に取っていただきたいです。(描き子さん)
立場の違いは仲良し夫婦の間にさえも分断を生む。このしんどさは誰のせいなのか、考えるヒントになる一冊。
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