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コロナでクビの50代が、国会議員に自らの「不安」をぶつけた結果。

時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。

 「50代フリーライター、コロナ禍でバイトをクビに。こうなったら永田町にぶちかまし! ドンドンドンッ、たのもー!」。

 本書『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。』(左右社)は、50代フリーライターVS国会議員が繰り広げる「建前なしの政治問答365日」の記録。

 相撲・音楽ライターの和田靜香さんが1年間対話を続けたのは、ドキュメンタリー映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」(2020年、大島新監督)で話題の国会議員・小川淳也さん。なぜこうなった?

 「えっ? 何を考えてんだ、あんた?

 大丈夫。ムチャなのは知っている。(中略)高まる気持ちはまるで道場やぶりだ。当たって砕けろ! ドンドンドンッ、たのもーーーーっ!」

分からない「不安」の正体

 50代、単身、フリーランス、お金なし。さらにコロナでバイトをクビに。息が詰まるほど不安で苦しい! こんな生活が続くのは、私のせいですか?

 このまったく分からない「不安」の正体を知るべく、和田さんが向かったのは永田町・衆議院第二議員会館。国会議員の小川さんに直接、自分の「分からない」をぶつけた。

 「日本はこれからどうなっちゃうんだろう? 私はここで、どう生きたらいいんだろう?

 願いはある。一人もとりこぼされることなく、全員があたりまえに安心できる暮らしが保証されることを。誰かが助かるために、誰かが蹴落とされないことを。今日の誰かの営みが、誰かの明日を創ることを。分かち合い、共にあることを。強く、強く、願う。私はそういう社会に生きたい。そうでないと生きることが難しい。絶対的死活問題だ。

 じゃあ、そのために、私はどうすればいいんだろう? それが分からなくて、知りたくて、2020年11月、私は東京の地下鉄・永田町の駅に降り立った。向かうのは衆議院第二議員会館。国会議員に、直接聞いてみることにした」

 和田さんと小川さんは1年間対話(格闘?)を続け、生きづらさの原因を探っていったという。帯コピーの「私激昂。議員号泣。」に、両者の本気度がにじみでている。

「私の不安は日本の不安だった」

 目次には、誰しも1度は思ったことがありそうな不安や不満が並ぶ。

■目次

はじめに コロナ禍の前から私はずっと不安だった

第1章 生きづらいのは自分のせい?
応援する候補者が当選したためしがない
政治が分からないまま大人になった
コラム  赤えんぴつで殴り書きした不安

第2章 耳タコの人口問題が生活苦の根源
ポストコロナの最重要課題は「人口問題」
「コロナから国民を守ります」ぐらい言えないのか
賃金が上がった、景気が良くなった、と言ってたけれど
コラム  分断はそれぞれの心の中にある
コラム  税金が高くて払いたくありません

第3章 「なんか高い」では済まされない税金の話
仕方なく払っている税金の行方
ゆくゆくは消費税100%!?
ベーシックインカムで安心できるか?
住む場所さえも確保できない
コラム  分からないことは恥ずかしいことじゃない
コラム  「国民」は使ってはいけない言葉

第4章 歳をとると就職できない理由
働く人の年齢差別
この賃金でこの社会保険料はおかしい
女性たちは競争させられている
待ったナシの移民問題
コラム  小川さんが100%正解ではない

第5章 見て見ぬふりをしてきた
環境、エネルギー、原発問題
「私たちの家は火事になっている」
エネルギーは私たちの力で作れる
分かり合えない原発の話
コラム  私が政治を語っていいのか
コラム  小川さん号泣

第6章 自分を考える=政治を考える
私も沖縄に基地を押し付けている
「安心・安全なオリンピックを目指します」?
間違えてもいい民主主義
不安をそのままにしないための政治

おわりに 私の不安は日本の不安だった
政治問答ブックリスト

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大島新監督による本書のプロモーション動画(画像提供:左右社)

 本書のプロモーション動画には、「私の不安」を解決するための徹底問答の様子、「諦めようと思ったことは100万回くらいあるよね」と苦闘する和田さんの姿が記録されている。

 コロナ禍のいま、自己責任や自助努力ではどうにもならない生きづらさが蔓延している。和田さんの大胆な行動を「よくぞやってくれた!」との思いで見守った。言いたいことを代弁してもらった気分になる。

 お金、住まい、仕事、ジェンダー不平等、社会の分断......。汗と涙の激論の数々は、私たち1人ひとりの「不安」や「分からない」を政治の力で解消するヒントになるだろう。


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■和田靜香(わだ しずか)さんプロフィール
 相撲・音楽ライター。千葉県生まれ。著書に『世界のおすもうさん』、『コロナ禍の東京を駆ける――緊急事態宣言下の困窮者支援日記』(ともに共著、岩波書店)、『東京ロック・バー物語』(シンコーミュージック)などがある。

■小川淳也さん(おがわ じゅんや)プロフィール
 国会議員。1971年香川県生まれ。東京大学法学部卒。94年自治省に入省し、2003年民主党より衆議院議員選挙に初挑戦するも惜敗。05年初当選。現・立憲民主党所属の衆議院議員(5期/2021年7月現在)。


※画像提供:左右社


  • 書名 時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。
  • 監修・編集・著者名和田 靜香 著、小川 淳也 取材協力
  • 出版社名左右社
  • 出版年月日2021年9月 5日
  • 定価1,870円(税込)
  • 判型・ページ数四六判・280ページ
  • ISBN9784865280456

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