リモートワークの推奨で出社が減り、余裕ができたはずなのに、毎日とても疲れると感じている人が多いという。2020年の自粛生活以降「コロナうつ」と呼ばれるメンタルの不調を訴える人が後を絶たないのが現状である。それはなぜなのだろう?
その理由を解説し、問題への解決策を示してくれるのが、8月10日に発売された『リモート疲れとストレスを癒す「休む技術」』(大和書房)だ。著者は、精神科医で、睡眠医学やメンタルヘルスを専門とする西多昌規さん。リモート生活で疲れを感じる原因を説き、心に寄り添い癒していく方法をわかりやすく解説している。
例えば、今までは出社で行っていた会議は、ZoomやGoogle Meetなどのツールを使用し、オンラインで行われるようになった。しかし、このオンラインツールにも、脳と体を疲れさせる要因が詰まっていたのだ。
対面の会議とは違い、Wi-Fi等の関係で生じる音声のズレや、画面以外見えていないからこそ行えるようになった会議中のメールや社内チャットの返信で発生するマルチタスク、座りっぱなしの体勢からくる腰痛や頭痛、画面に自分の顔が映る、などオンライン会議から生じるストレスだけでもこんなにもたくさん挙げられるのだ。
こんなストレスを回避するために、次の対処法を試してみよう。
・画像モードを切り替える、ビデオ画面をオフにする
・20分ごとに5メートル先のものを見る
・ミュートのオン・オフを多用して発言する
また、休憩のタイミングを逃し、だらだら仕事してしまいがちな人は、仕事の効率化を図るためにも次の工夫をしてみよう。
・25分仕事・5分休憩のサイクルに、午前1回、午後2回の小休止
・休憩のときにはパソコンから離れる仕組みや習慣をつくる
・リモートだからこそ、自分で決めた「有給休暇」を取る
・自分のために、好きに過ごせる予定のない日をつくる
・スマホの通知をオフにして過ごす時間を決める
これらのアプローチと休み方で、パフォーマンスを高めてメンタルを守ることができると、西多さんは説く。
生きていくうえで一番大切なのは、心と体が健康であることだ。休みもしっかりと取りながら、リモートワーク時代のストレスを軽やかに乗り越えていこう。
目次は下記の通りである。
1章 オンライン会議とデジタルワークで脳も身体もヘトヘト
2章 リモートワークで乱れたリズムを整える
3章 リモートワーカーが抱える孤独とストレスをケアする
4章 デジタル・オンライン時代の休み方
5章 メンタルを整えて不安とうつを乗り越える
■西多昌規(にしだ・まさき)さんプロフィール
精神科医・医学博士。早稲田大学准教授。1970年生まれ、東京医科歯科大学卒業。東京医科歯科大学助教、自治医科大学講師、ハーバード大学、スタンフォード大学の客員研究員などを経て、現職。精神科専門医、睡眠医療認定医。専門は睡眠医学、身体運動とメンタルヘルス、アスリートのメンタルケアなど。
主な著書に『眠る技術』『「昨日の疲れ」が抜けなくなったら読む本』『休む技術』(だいわ文庫)、『「テンパらない」技術』(PHP文庫)、『自分の「異常性」に気づかない人たち』(草思社文庫)等多数。
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