「見ちゃダメ!」と言われると余計に見たくなる。テストの前の日になると部屋の掃除がしたくなる。久しぶりに親戚の大人に会うと、みんなが「あっという間の1年だった」と言う。「期間限定」と書いてあるお菓子をつい買っちゃう......。
これらの「ふしぎ現象」。あなたも体験したことがあるのでは? 驚いたことに、「ふしぎ現象」にはそれぞれ名前があるという。
本書『大人も知らない? ふしぎ現象事典』(マイクロマガジン社)は、大人でも理由を答えられないような「ふしぎ現象」の名前と由来を子どもに楽しく伝える「オモシロ雑学事典」。ヨシタケシンスケさんの絶妙なイラストが、オモシロさの度合いをいっそう引き上げている。
「わたしたちの身の回りには『よくある』けど、名前を知らない現象がたくさんあります。それは、大人でも子どもでも同じで、誰しもが『またこの現象だ!』という体験をしているのです」
本書は「1章 学校・勉強でのふしぎ編」「2章 友だちのふしぎ編」「3章 家でのふしぎ編」「4章 お出かけでのふしぎ編」「5章 体のふしぎ編」の構成。全部で56の「大人も知らない? ふしぎ現象」を紹介している。
「○○効果」「○○現象」という言葉は聞いたことがあっても、その意味や由来までは知らないことがほとんど。大人が読んでも「そういうことだったのか!」の連続にちがいない。たとえば......
勉強する気になった時に、親から『勉強しなさい』と言われ、やる気がなくなった ナンデ?
これは、心理学の「ブーメラン効果」と呼ばれる現象。自分が考えていたのと同じことを主張されると、逆の方向に意見を変えてしまう心の働き。この問題を解決するには、誰かに言われる前に勉強するしかないという......。
「『絶対勉強しちゃダメ!』って言ってくれれば 逆にすごい勉強したのに...」
嫌いな人の嫌なところばかりが目についちゃう ナンデ?
人間には「確証バイアス」という、考える時のクセのようなものがある。「バイアス」は「データのかたより」の意味。私たちは知らないうちに都合のいいことばかりを見て、都合の悪いことは無視する傾向があるという。
「ウチのダンナたまに家事手伝うんだけど 作業が雑でよけいイラッとすんのよねー」
「わかるー」
あとでやろうと思っていた部屋の片づけだけど 時間がたって面倒になった ナンデ?
経営コンサルタントのエメットは「やることを先にのばしていると、すぐやる時の倍の時間とエネルギーがかかる」という説を唱えている。これが「エメットの法則」。たとえば、部屋の片づけを後回しにした場合。どんどん散らかり、片づけに時間がかかり、捜し物が見つからなくなることも。結果、やるべきことが増えてしまうという。
「『今すぐやることメモ』を書いたぞ! これをカベに貼るのは...明日やろうかな」
本書は読んだら終わりではなく、「そういえば、この現象はこういう名前と由来だったな」と日常生活とリンクさせて考えたり、親子でクイズを出し合ったりと、いろいろな楽しみ方がある。もうすぐ夏休み。
せっかくなら、身になる読書体験を子どもにしてほしい。そう思っていた矢先、まさに打ってつけの1冊が刊行された。
「大人でも知らないかもしれない『ふしぎ現象』の名前、たくさん覚えて大人や友だちに教えてあげたり、この本にのっていない『ふしぎ現象』を見つけたら、その名前を調べてみましょう」
■文・ココロ社プロフィール
大阪生まれ。東大文学部卒業後、平凡な窓際サラリーマンとなる。かたわらで珍妙なブログおよび書籍の執筆をしており、著書に『マイナス思考法講座』『読むだけで彼女ができる モテる小説』(以上、CCCメディアハウス)、『がまんできない人のための 真の忍耐力養成ドリル』(技術評論社)など。
■イラスト・ヨシタケシンスケさんプロフィール
1973年神奈川県生まれ。絵本作家・イラストレーター。筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了。書籍の挿画、装画、イラストエッセイなど、様々な分野で活躍。著作に『りんごかもしれない』『もうぬげない』(以上、ブロンズ新社)、『あるかしら書店』(ポプラ社)、『思わず考えちゃう』(新潮社)など。
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