新型コロナウィルスの感染予防対策が求められる今、複数ではなく1人で食事をする機会も増えたのではないだろうか。
そんな今の食事スタイルを楽しむために参考になるのが、『dancyu"食いしん坊"編集長の極上ひとりメシ』(植野広生 著、ポプラ社)だ。
本書は、食にまつわるヒト・モノ・コトを独自の視点で届けるメディア「dancyu」の編集長・植野広生さんのこだわりのひとりメシの極意が紹介されており、「隣の人より美味しく食べたい!」そんな熱意が満載だ。
ページを繰るたびに「なるほどな」と納得してしまうものも多い。さっそく、その一部紹介していこう。
■かき揚げそばは「たてかけ」が基本
そばの上にかき揚げがのっているのを放置すると、かき揚げがつゆを吸ってしまい香ばしさが消えてしまう。丼の縁に「たてかけ」で置いてもらうようにするのが植野流。そうすると、かき揚げの上は「サクサク」で下に向かうにつれ「ややしっとり」「しっとり」「どっぷり」とグラデーションを楽しむことができる。
■予約は「美味しい」を手に入れる最初のチャンス
植野さんは「店に好かれる客」になることを重要視する。店にとって好ましい客として認識されると、店側がいいものを出してくれたり、貴重な食材を優先して食べさせてくれたりすることもあり得る。
店に好かれるためには、予約の際にも油断してはいけない。
店を予約するときに、事務的に日付と人数だけ伝えていないだろうか。それはもったいない。予約の際は、自分の思いを店に伝えるチャンスと捉えてみよう。店を知ったきっかけなどを伝えてみると、自分を意識してもらえるだろう。
■かつカレーは右から2番目から食べる
かつカレーのかつを食べる順番にもこだわる植野さん。とんかつの食感とカレーのスパイシーさの融合を楽しむために、右から2番目から脂身の多い左側へ食べ進み、最後に一番右端を食べるのだという。そうすることで、味のグラデーションを楽しむことができる。
ちなみに、一番右端を最後にするのは、衣が多い部分なのでカレーのヅケにしておくことで、混沌とした味わいを堪能できるためだという。
他にも植野流の食べ方や店との付き合い方が多数紹介されている。そのこだわりようは、まるで美食家の北大路魯山人のようだ。
普段、なんとなく食べ進めている料理もこだわってみたくなってきた。1食1食を全力で味わいたくなるグルメな1冊。気兼ねなく1人の食事がとりやすい今こそ、参考にしてみてはいかがだろうか。
当サイトご覧の皆様!
おすすめの本を教えてください。
本のリクエスト承ります!
広告掲載をお考えの皆様!
BOOKウォッチで
「ホン」「モノ」「コト」の
PRしてみませんか?