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「コロナ脳」をリセットして「コロナ騒動」を俯瞰してみよう!

新型コロナが本当にこわくなくなる本

 「無闇にコロナを恐れ、ひたすら逃げ惑い、常識はずれの過剰な対策に疑問を持たず、無用な差別までしてしまう、そして責任を回避しようとする『コロナ脳』」――。

 新型コロナのパンデミックも2年目。すべての情報を鵜呑みにせず、情報を選びとることが必要だ。

 井上正康さんと松田学さんの共著『新型コロナが本当にこわくなくなる本――医学・政治・経済の見地から"コロナ騒動"を総括する』(方丈社)は、激動するポストコロナ時代の「羅針盤」として刊行された1冊。2人の第一人者が、これからのコロナ禍を予測する。

 「多角的な視点から論じてみることが、多くの国民にコロナ脳を克服する知恵と、時代を前へと進める勇気を与えることにつながるのではないかと考えました」

ウイルスの実害より人災

 井上さんは昨年10月に刊行された著書『本当はこわくない新型コロナウイルス』(方丈社)で、最新科学情報から「日本コロナ」の真実を解明した。本書では医学的見地から「コロナ騒動」を総括する。松田さんは「コロナ騒動」で大きく様変わりした日本の政治、経済、メディアなどの舞台裏を分析する。

 鋭い書きっぷりで、両氏ともズバズバ斬り込む。冒頭から早速、メディアではカットされそうなことを書いている。

 新型コロナは昨年の春頃まで「スペイン風邪並みの強毒病原体」と思われていたが、その後の経過を俯瞰的に分析した結果、「感染力は強いが病原性は意外と低い季節性風邪ウイルス」と判明したという。しかし......

 「視聴率を最優先するメディアが煽った恐怖心が世界中で過剰反応を暴走させ、ウイルスの実害よりもはるかに大きな人災被害を出しています」

 さらに、厚労省は「責任回避のプロ組織」であり、政治家の多くは「支持率や世論に絡め取られて正しい政策を展開できないジレンマ」に陥っているとして......

 「大変残念ながら、今では政府や自治体の不条理な不作為が国民に対する深刻な病原体と化しつつあります」

 本書の目次は以下のとおり。「PCR陽性者=コロナ感染者ではない」「人類が初めて試す遺伝子ワクチン」「大きなビジョンが見えない小粒政策が並んだ菅政権」「長引く緊急事態宣言の影響で日本人の常識が狂った」など、79項目とQ&Aで構成されている。

■目次
 第1章 新型コロナとは何だったのか?
 第2章 PCR検査の弊害
 第3章 コロナワクチンの正体と今後の視野
 第4章 新型コロナに、政治はどう向き合ってきたのか?
 第5章 疲弊した日本経済をどう立て直すのか?
 第6章 コロナ禍に翻弄された日本はこれからどうなるのか?

 専門用語をまじえての解説はやや難しく感じるところもあったが、なにせ読み応えがある。中には、「そうだったの!?」と根本から認識を覆されるものも。

 たとえば、「日本人が子どもの頃から罹ってきた風邪の病原体の一つが、コロナウイルス」とある。東アジアの民族は土着コロナと長年付き合ってきたことから、新型コロナに対してもある程度の抵抗力を持つと考えられるのだという。

日本に真の危機をもたらすもの

 ポストコロナに目を転じると、コロナ禍以上に大きな危機が訪れる可能性があるという。それは「日本人自身が事実(FACT)から目を背け、事実に真正面から向き合おうとしない危機」だと、松田さんは指摘する。

松田「たちまち『コロナ脳』となり、無思考状態になる危機。各人が自分の穴に閉じこもったまま、自分で考えず、異論を排し、社会に漂う『空気』に迎合する危機。すなわち、今回の危機で露呈した日本人自身の体質が生み出す危機のことです」

 最後に「日本国民の抜きがたいコロナ脳を作り上げたマスコミの大罪」から。そもそも、視聴者を不安で煽るのは「テレビのフォーマット」なのだそう。

 媒体としての存在感のアピール、視聴率向上のためにジャーナリズムが陥りがちなセンセーショナリズムが、国民の不安感を必要以上に煽る。自社の方針や主張に沿わない事実をほとんど報道しない......。こうしたマスコミの姿勢を厳しく批判している。

 メディアの情報にどっぷり浸かっていると、本書は驚きの連続にちがいない。本書を含むさまざまな情報にふれ、自分で判断できるようになりたいものだ。

井上「何かのきっかけで極端な思考や行動に走りがちなのが完全主義を目指す真面目な日本人の特徴の一つです。(中略)一度思考をリセットして、冷静な頭で今回のことを俯瞰的に見直してみる必要があります」

■井上正康さんプロフィール

 大阪市立大学名誉教授(分子病態学)。1945年広島県生まれ。74年岡山大学大学院修了(病理学)。インド・ペルシャ湾航路船医(感染症学)。熊本大学医学部助教授(生化学)。Albert Einstein医科大学客員准教授(内科学)。Tufts大学医学部客員教授(分子生理学)。大阪市立大学医学部教授(分子病態学)。2011年大阪市立大学名誉教授。宮城大学副学長などを歴任。現在、キリン堂ホールディングス取締役、現代適塾・塾長。腸内フローラ移植臨床研究会・FMTクリニック院長。

■松田学さんプロフィール

 松田政策研究所代表。未来社会プロデューサー。元衆議院議員。1981年東京大学経済学部卒、同年大蔵省入省。経済財政政策を担当。内閣審議官、財務本省課長、東京医科歯科大学教授などを経て、2010年国政進出のため財務省を退官。12年衆議院議員、15年東京大学大学院客員教授。バサルト株式会社代表取締役社長、ジパングプロジェクト株式会社取締役会長、横浜市立大学客員教授、言論NPO監事、国家基本問題研究所客員研究員、政策科学学会副会長などの役職に従事。




 


  • 書名 新型コロナが本当にこわくなくなる本
  • サブタイトル医学・政治・経済の見地から“コロナ騒動”を総括する
  • 監修・編集・著者名井上 正康、松田 学 著
  • 出版社名方丈社
  • 出版年月日2021年5月14日
  • 定価1,430円(税込)
  • 判型・ページ数四六判・254ページ
  • ISBN9784908925764

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