順天堂大学医学部教授・小林弘幸さんは、国内初の便秘外来を開設した腸のスペシャリストであり、自律神経研究の第一人者。メディアでよくお見かけする医師の一人である。
小林さん監修の本書『医者が教える風邪ひとつひかない健康法』(TJ MOOK)は、免疫力をアップし、薬いらずの体になるための健康法がビッシリ詰まった一冊。
「私はこの健康法でずっと風邪をひいていません!」
小林さんがふだんから心がけている「病気にならないための10か条」とは、いったいどんなものなのか?
はじめに、新型コロナウイルスについて書いている。
じつはコロナ対策においては、「『重症化しない』という要素がとても重要です」。それは、いくら万全な対策をしても、感染リスクをゼロにすることはできないから。コロナに打ち勝つには、生活習慣を健康的なものにして、日頃から免疫力を高めておくことが必要なのだという。
「ここで重要になってくるのが"自律神経"と"腸内環境"です。(中略)この2つを整えることで免疫力がグンと高まり、コロナを含む風邪などの病気一般に強い体を獲得できます」
本書は「食事」「生活習慣」「休息」「運動」の4本の柱に分けて、自律神経と腸内環境を整える52の習慣を紹介している。
■目次
第1章 Dr.小林の風邪をひかないための10か条
第2章 おいしく取り入れられる! 食事改革
第3章 無理なく進められる! 生活習慣改革
第4章 上手な休み方を知る! 休息改革
第5章 今すぐ誰でもできる! 運動改革
第1章の「Dr.小林の風邪をひかないための10か条」は以下のとおり。
■Dr.小林の風邪をひかないための10か条
1 朝は必ず朝食をとる
2 毎日3食をルーティン化させる
3 食べるときはよく噛む
4 週に一度、いつもよりも早く起きる
5 日常的に運動するクセをつける
6 うがい、手洗い、マスクの着用
7 呼吸の仕方を意識する
8 1日30分だけの自由な時間をつくる
9 39~40度の湯に15分つかる
10 寝るまでの3時間を上手に過ごす
「2 毎日3食をルーティン化させる」では、ベストな比率を「朝4:昼2:夜4」としている。間隔は6時間おき、朝はしっかり、昼は軽食程度、夜は早めに済ませるのが理想という。
夕食後の3時間は、胃腸が消化・吸収のために活発に動き、副交感神経が高まる「腸のゴールデンタイム」。夕食後3時間以内に寝た場合、睡眠の質の低下、腸内環境の悪化、体力・免疫力の低下、自律神経が乱れて疲れやすくなる、血糖値が下がりきらずに太りやすくなる、という症状が出てくるという。
コロナ対策に役立つ、第2章の「魚にキノコ、卵黄...ビタミンDがすごい!」にもふれておこう。
ビタミンは、免疫細胞の働きに影響を与える栄養素。なかでもビタミンDは、新型コロナウイルスに対して抵抗力を強化するらしいことがわかったそうだ。「コロナの重症化患者には、ビタミンDが不足している人の割合が有意に多い」という複数の研究結果が報告されているという。
「まだハッキリしたことは言えませんが、ビタミンDには(新型コロナウイルス感染症の)重症化の抑制効果があるのではないかと期待されています」
ビタミンDが豊富に含まれている食材は、魚類、卵、キノコ類。たとえば、サケ、イワシ、サバ缶、しらす、卵黄、干しシイタケなど。また、日光浴をして皮膚から生み出すこともできるという。
このように、本書は気になるコロナ対策もしっかり盛り込んでいる。表紙にあるとおり、まさに「感染症予防の時代に必読!」。免疫力アップの情報が飛び交うなか、信頼できる情報だけをインプットして、いまこそ習慣化したい人にピッタリの一冊だ。
■小林弘幸さんプロフィール
1960年生まれ。順天堂大学大学院医学研究科・医学部教授。87年順天堂大学医学部卒業。92年同大学大学院医学研究科修了後、ロンドン大学付属英国王立小児病院外科などでの勤務を経て、順天堂大学医学部小児外科学の講師・助教授を歴任。2006年同大学大学院医学研究科病院管理学教授に就任、総合診療科研究室教授を併任。専門は小児外科学、肝胆道疾患、便秘、Hirschsprung病、泌尿生殖器疾患、外科免疫学。スポーツ庁参与、日本体育協会公認スポーツドクター。
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