「ハルコさんに叱られると、なぜか人生上向いていく」――。4月10日にスタートしたオトナの土ドラ「最高のオバハン 中島ハルコ」(東海テレビ・フジテレビ系全国ネット)が面白い。
オトナの土ドラといえば、「夢なし、恋人なし、貯金なし...がけっぷちアラフォー女性」が主人公の「その女、ジルバ」が記憶に新しい。「大人に向けた、本格派ドラマ」をコンセプトに、東海テレビが50年以上にわたり培ってきた"人間ドラマ"を存分に描く枠だという。
さて、「最高のオバハン 中島ハルコ」はというと......「オトナの土ドラ史上最強スーパーレディ爆誕!」「世の不正や悩みをなぎ倒す、痛快毒舌エンタテインメント開幕!」である。
ドラマの原作は、2017年と2019年に刊行された林真理子さんの小説「最高のオバハン」シリーズ(文春文庫)。ここでは、シリーズ第1弾となる『最高のオバハン 中島ハルコの恋愛相談室』のあらすじを紹介しよう。
中島ハルコ(52)は、バツ2、女社長。自称・いま最もブレイクしているオバハン。新幹線ホームのキヨスクで週刊誌を立ち読みしたり、大地震が起きたとき運送会社のトラックに自宅まで無理矢理送らせたり......。金持ちなのにドケチ、口の悪さは天下一品。
そんなハルコの周りには、なぜか悩みを抱えた人間が寄ってくる。「十年間付き合ってる不倫相手に貸した三百万円が返ってこない」「自分の学歴(東大卒)が高すぎてオトコができない」......。ハルコは決してきれいごとはいわず、独特の人生観でこれらを解決していく。
「心あたりのある人は読んで恐ろしくなり、若い読者にとっては、きたる人生の参考書にすらなるのではないだろうか。常識にとらわれず、本音で行動するハルコの歯に衣着せぬ物言いには、聖人君子の教えにはない、不思議な説得力がある。胸のすくような啖呵と、ハルコの傍若無人なようで鋭い洞察力が、悩める人々の背中を押してくれる、痛快エンタテインメント小説」(文藝春秋公式サイトより)
■目次
ハルコ、パリで熱弁をふるう
早くもハルコが語る
ハルコ、夢について語る
ハルコ、縁談を頼まれる
ハルコ、愛人を叱る
ハルコ、母娘を割り切る
ハルコ、セックスについて語る
ハルコ、主婦を叱る
ハルコ、不倫を嘆く
ハルコ、カリフォルニアに行く
ドラマのメインキャストは、大地真央さんと松本まりかさん。
大地さんが演じるのは、忖度無用の毒舌で人の心をグサグサ刺すアラ還名古屋マダム・中島ハルコ(60)。都内で超人気美容クリニックを経営。バツ2。一方の松本さんが演じるのは、庶民のダメンズ女子・菊池いづみ(38)。弱小出版社のフードライター。10年物の不倫に悩んでいる。
ひょんなことから知り合ったハルコといづみ。ハルコはいづみを振り回しながら、東京と愛知を舞台に世の中の悩みをぶった斬っていく!
見どころはなんといっても、大地さんの究極の美貌とコメディエンヌ風の演技とのギャップだろう。そして名古屋メシ、名古屋おやつ、方言、県内各地の景色......。存分に詰まった愛知の魅力がたまらない。
インタビュアーから「視聴者へハルコ的に一言」を求められた大地さんは、こう語っている。
「ハルコさんのセリフとして(第3話で)出てくるのですが『くよくよ悩むのは時間の無駄。すなわち本来稼げるはずのお金の無駄なのよ。』『自分が変われば、周りも変わる。』ということでしょうか。このドラマを見て笑顔になっていただけたらうれしいです」(東海テレビ公式サイトより)
「最高のオバハン」シリーズは、東村アキコさん作画で『ハイパーミディ中島ハルコ』(マーガレットコミックス)としてコミカライズもされている。小説、ドラマ、コミックの3通りの楽しみ方がある「最高のオバハン」。ハルコに「バシッ!」と活を入れられたい人は、ぜひチェックしてみてほしい。
■林真理子さんプロフィール
1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍。86年「最終便に間に合えば」「京都まで」で第94回直木賞を受賞。95年「白蓮れんれん」で第8回柴田錬三郎賞、98年「みんなの秘密」で第32回吉川英治文学賞を受賞。2018年紫綬褒章受章。
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