74年ぶりに復刊され、BOOKウォッチで2020年11月16日に紹介した『傷魂─忘れられない従軍の体験』(冨山房インターナショナル)が3刷になっている。個人的な戦争体験記としては異例だ。
著者の宮澤縱一さんは1908年生まれ。京都帝国大学法学部卒。戦後は武蔵野音楽大学教授を務め、オペラやクラシックなどの音楽評論家としても活躍、2000年に亡くなった。
本書にはフィリピン戦で傷つき、治療もされないまま密林に置き去りにされ、飢餓に苦しみ、死の直前に奇跡的に救われるという「九死に一生」の体験がつづられている。
フィリピン戦線では、日本人の戦死者が約51万人。太平洋戦争による日本人戦死者は、戦闘地域別ではフィリピンが最も多かった。
原著は1946年の出版。長く忘れられていたが、2020年8月に復刊本が出た。現代の小中学生でも読めるように、多少手直しされ、ルビも付けられている。
国際的バイオリニストとして著名な黒沼ユリ子さん(1940~)が推薦文を書いている。「宮澤先生が、まさかこのように過酷で悲惨な、そして馬鹿げた戦争体験をされておられたお方とは、コレまで夢にも私には想像できないことでした」と驚いている。
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