国際経済の世界で中国の一人勝ちを予想する報道が相次いでいる。国際通貨基金(IMF)は2020年10月13日、今年の経済成長率の見通しを発表、先進諸国では中国のみがプラス成長で1.9%。世界全体ではマイナス4.4%。米国はマイナス4.3%、日本はマイナス5.3%、ユーロ圏はマイナス8.3%と予測されている。
日経新聞は10月19日の夕刊で、7~9月の中国のGNPは前年同月比4.9%増と一面トップで伝えた。投資や輸出がけん引しているという。
BOOKウォッチではすでに7月29日に『コロナ後の世界は中国一強か』(花伝社)を紹介している。著者の矢吹晋さんは中国研究者。横浜市立大学名誉教授。『文化大革命』(講談社現代新書)、『毛沢東と周恩来』(講談社現代新書)、『鄧小平』(講談社学術文庫)、『中国人民解放軍』(講談社選書メチエ)、『「朱鎔基」中国市場経済の行方』(小学館文庫)、『中国の権力システム』(平凡社新書)、『激辛書評で知る中国の政治・経済の虚実』(日経BP社)など著書多数。
矢吹さんは、中国は他国には「模倣できないシステム」でコロナ禍を乗り切っており、その功罪はともかく、今回のコロナ対応で、「これが実践(あるいは実戦)において成功した事実は誰もが認めざるを得ないのではないか」と記している。
同書では今回のコロナ禍の前に、米国ロックフェラー財団が未来学者に依頼した論文の中で将来、感染症パンデミックが発生した場合、「中国政府は即座にすべての国境を閉鎖すると共に、すべての市民に検疫を課して、数百万の生命を救いウイルスの拡散を他国に先駆けて防止しパンデミック後の速やかな回復をもたらした・・・」という予測が出ていたことなども紹介されている。
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