読むべき本、見逃していない?

少女マンガ×ルッキズム タブーに挑む(!?)新感覚エッセイ誕生

「少女マンガのブサイク女子はモブキャラではない!多様性そのものである」
能町みね子
 
「魂で会話できない私たちは否が応にも己の美醜と向き合い続けなくちゃならない。その答えは少女マンガにあったんだ」
宇垣美里

 能町みね子さんと宇垣美里さんの推薦文が力強く書かれた帯。少女マンガにおける「ブサイク女子」という、今までほとんど語られてこなかった(語りたくなかった?)テーマに鋭く切り込んだ、前人未到、新感覚のエッセイ本が誕生した。

画像は、『少女マンガのブサイク女子考』(左右社)
画像は、『少女マンガのブサイク女子考』(左右社)

 『少女マンガのブサイク女子考』(左右社)が、2020年10月31日に発売予定だ。少女マンガのヒロインといえば美人なのが当たり前、ブサイクという設定でも「全然ブサイクじゃないじゃん!」と突っ込みたくなるかわいいヒロインばかり......そう思っている人にこそ、ぜひ手に取ってほしい。

 本書では、ライター・少女マンガ研究者であるトミヤマユキコさんが、萩尾望都、山岸凉子、安野モヨコ、岡崎京子(すべて敬称略)から知られざる名作まで、26作品の「ブサイクヒロイン」を紹介する。

 さらに、『薔薇はシュラバで生まれる』(イースト・プレス)の著者であり、70年代に美内すずえさんなど人気作家の敏腕アシスタントとして活躍した、笹生那実(さそう・なみ)さんによる描き下ろしの考察マンガを、各章の終わりに掲載。なんと巻末には、能町さんと著者のトミヤマさんによる特別対談も。

 本書の目次は、以下の通り。

第一章 ブサイク女子と恋
・ブサイクでも 「盛れていればOK」だし恋だってできる! あいだ夏波『圏外プリンセス』
・ぼんやり系王子に愛される幸せ 作楽ロク『ブスに花束を。』
・天使にとって人間の美しさとは何か? 小森麻実『恋はなに色?』
・学園のマドンナがまさかの毛むくじゃらに 小夏『野獣彼女』
・ブサイクなんじゃない、美しさが隠れているだけ! 谷和野『魔法自家発電』
◆昭和のソレ系少女漫画のお話 (1)誰も努力などしない!(漫画:笹生那実/以下同)

第二章 ブサイク女子の生き様
・ズボラ系ブサイク女子がさなぎになったり蝶になったり 西炯子『なかじまなかじま』
・「痩せる=キレイになる」は幻想でしかない 安野モヨコ『脂肪と言う名の服を着て [完全版]』
・美人もブスも「呪い」の前では平等である 坂井恵理『鏡の前で会いましょう』
・「演技する鼻」から目が離せない わたなべ志穂『王子様はマリッジブルー』
・生きるためにカワイイを作り続けろ! 岡崎京子『ヘルタースケルター』
・超絶ブサイク女子の切なすぎる末路 谷口ひとみ『定本 エリノア』
◆昭和のソレ系少女漫画のお話 (2)『エリノア』の衝撃!

第三章 ブサイク女子と「呪い」
・「違和感」のあるブサイク女子には気をつけよう! 渡千枝『鈴蘭』
・かわいさよりも強さを取った女の子 今井康絵『肉のヨロイ』
・ブサイク女子と美少女が入れ替わったらどうなるの? 川端志季『宇宙を駆けるよだか』
・ブサイク女子を手術する執刀医は一体どんな心境なのか? 高階良子『地獄でメスがひかる』
◆昭和のソレ系少女漫画のお話 (3)ブサイクは退場必須?

第四章 ブサイク女子の血縁関係
・「小豚ちゃん」のママは売れっ子女優 山岸凉子『鏡よ鏡...』
・焦れったいブサイクヒロインを愛でよう 吉村明美『薔薇のために』
・「悪魔に呪われた顔」なのは姉か妹か? まつざきあけみ『魔の顔』
・「醜さ」の呪いが解けたあとに残るもの 萩尾望都『半神』『イグアナの娘』
◆昭和のソレ系少女漫画のお話 (4)ファンタジーから現実に着地!

第五章 「ブサイク」に左右されない女たち
・『俺物語!!』の猛男が女だったらどんな感じ? アルコ『終電車』
・幻のブサイク女子マンガはやはり傑作だった 中村有希生『ひなちゃんの恋』
・サカナ顔のヒロインがカップル幻想をぶっ壊す! 鈴木由美子『アンナさんのおまめ』
・ブサイク女子のユートピアはここにあった ところはつえ『しこめちゃん』
・着飾りまくった老女は醜いですか? 松苗あけみ『カトレアな女達』
・ツネコちゃんは幸福なブサイク女子!? 玖保キリコ『シニカル・ヒステリー・アワー』
◆昭和のソレ系少女漫画のお話 (5)ブサイク女子漫画は進化する!
対談 能町みね子×トミヤマユキコ
「少女マンガはなぜブサイク女子を描き、わたしたちはなぜそれを読むのか?」

 目次だけでも読みごたえのある内容に、期待が高まる。以下は、本文の一部からの引用だ。

「本書はマンガ批評の本として書かれているけれど、フィクションの力を借りつつ、美醜について考えるための本にもしたい。そして、読み終わる頃にはルッキズムや、自己認識、自己肯定感をめぐる新たな思考回路が開いていたらいいなと思う」(「はじめに」より)

 ある意味「タブー」と表現してもいいような、少女マンガに登場する「ブサイク女子」問題にメスを入れ、ルッキズム論にまで展開する本書。読破する頃には、まったく新しい視界が開けているかもしれない。


※画像提供:左右社

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