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『関東大震災朝鮮人虐殺の記録――東京地区別1100の証言』普及版出版

 関東大震災の研究者として知られる西崎雅夫さんが『<普及版>関東大震災朝鮮人虐殺の記録――東京地区別1100の証言』(現代書館)を2020年8月に刊行した。西崎さんはすでに2016年に同タイトルで原著を出しており、今回は普及版。判型は同じくA5。ページ数もほとんど変わらないが、定価は原著の9000円から今回はより多くの人に読んでもらいたいということで2500円(税別)に大幅値下げされている。

画像は、『<普及版>関東大震災朝鮮人虐殺の記録――東京地区別1100の証言』(現代書館)
画像は、『<普及版>関東大震災朝鮮人虐殺の記録――東京地区別1100の証言』(現代書館)

 本書は、警察や報道から子どもを含む個人まで1100もの証言を収録。特に自伝・日記・郷土資料などから、今までどんな資料集にも収録されてこなかった新資料を多数発掘してるのが特徴だ。23 区それぞれに見やすい地図をつけ、実際に虐殺の行われた場所を訪れる場合の一助にもなっている。金子光晴、寺田寅彦など著名人の証言も多数収録、一種の風俗史・社会史としても貴重な内容。東京23区エリアマップ&証言者・人名索引も付いている。

 西崎さんは1959年生まれ。明治大学在学中から関東大震災の朝鮮人虐殺問題にかかわり、公立中学英語教師を経て、「一般社団法人ほうせんか」理事。

 原著のエッセンスを文庫化した『証言集 関東大震災の直後 朝鮮人と日本人』 (ちくま文庫)も発売されている。

 BOOKウォッチでは同書のほか、作家の吉村昭による『関東大震災』(文春文庫)、ライターの加藤直樹さんが東京近辺の虐殺事件ゆかりの土地を回り、写真に撮ってブログで報告、それをもとに加筆してまとめた『九月、東京の路上で』(ころから刊)、震災時に刑務所で起きた実話をもとにした小説『典獄と934人のメロス』(講談社)なども紹介済みだ。


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