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志村けん「だっふんだ」封印の理由は? 日本初の「コロナ童話」で笑おう

 新型コロナウイルスを「笑い」に変える。

 一見、「不謹慎」となじられてしまいそうな試みに挑んだ新刊が、2020年8月4日に発売された。

画像は、『日本村100人の仲間たち The HOPE』(辰巳出版)
画像は、『日本村100人の仲間たち The HOPE』(辰巳出版)

 『日本村100人の仲間たち The HOPE』(辰巳出版)は、新型コロナウイルスで大混乱に陥った、日本を含む世界の国々をユーモラスに描いた挑戦作である。笑いを通じて、人間がもっている「希望(HOPE)」を取り戻し、「withコロナ時代」を生き抜く勇気をもってもらいたいという思いから制作された。印税10%は、全額が赤十字等の医療団体へ寄付される。4,000万円の寄付を実現するため、売り上げ目標は45万部だという。

 本書は、2002年に発売された『日本村100人の仲間たち』(辰巳出版)の次回作であり、18年の時を経て刊行された。前作は「もし日本が100人の村だったら」という設定で、統計データをもとに日本の本当の姿を読み解いき、刊行以来45万部超を売り上げているベストセラー作品だ。前作に続き今回は、世界各国と日本を、「村」にたとえ、ユーモラスに描いている。

 本書には、以下のような新型コロナウイルスにまつわる約50のおもしろエピソードが収録されている。

・新型コロナウイルスが原因で亡くなった志村けんさんの有名なギャグ、「だっふんだ」は、セキとクシャミを表している。しかし、今、飛沫感染を防ぐため、このギャグは封印されている。
・アニメでサザエさん一家が「今度のGWはどこに行こうか?」と相談したら、視聴者から「サザエさんだけずるい!」と大バッシングされた。
・安倍首相がエイプリルフールの日にマスクを配ったのは、「国民の悲鳴をシャットアウト」するため?
・世界一忙しいミッキーマウスが90才にして、初めて長期休暇が取れた。

 いずれも、実際の統計やデータ、そして当時のニュースがネタ元になっている。

 著者の吉田浩さんは、童話作家としてこれまでに200冊の絵本、紙芝居などを出版してきた。

 ベテラン絵本作家が描く、コロナ渦の世界とは。気持ちがふさぐニュースばかりが続く中、わずかでも「HOPE」を感じられることを期待したい。


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