「噓の夢 噓の関係 噓の酒 こんな源氏名サヨナライツカ」
「『ごめんね』と泣かせて俺は何様だ誰の一位に俺はなるんだ」
「ホスト歌会」というものを聞いたことはあるだろうか。出勤前のホストが月に1度集い、歌を詠みあう会だ。2018年から行われていて、参加したのは歌舞伎町のホストクラブ「スマッパ!グループ」会長・手塚マキさんと、所属するホスト75人。2年間、彼らに伴走し選歌・指南をしたのは、ベストセラー『サラダ記念日』で知られる俵万智さんら3人の歌人だ。
ホスト歌会で詠まれた約900首の中から、笑って泣けてちょっと切ない、珠玉の300首を集録したのが本書『ホスト万葉集』(発売:講談社/発行:短歌研究社)。客との掛け合い、LINEでの営業など、短い言葉を駆使して日常を送るホストたちと、言葉に感情をのせる短歌とは、実は非常に相性が良いのかもしれない。
本書には、編者である俵万智さん、野口あや子さん、小佐野彈さんと手塚マキさんによる座談会「ホスト短歌の原点は、元祖チャラ男・光源氏です」も収録されている。
2020年、夜の街への外出自粛という歌舞伎町最大の危機の中、オンラインで会議ができるアプリ「ZOOM」で歌会や勉強会を続けたホストたち。歌舞伎町のリアルな「今」を噛みしめる彼らが紡ぐ短歌は、鋭く私たちの胸に刺さる。
「君からの返信ないが既読付く 俺に連絡いま自粛かな」
「夜が更けて意外と広いゴジラ前 静けさ光る靖国通り」
「眠らない街といわれたネオン街 たまにはゆっくりおやすみなさい」
【「ホスト万葉集」より抜粋】
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