ロングセラー『青空のむこう』ほか、多くのYA(ヤングアダルト)小説で世代を超えたファンを獲得しているイギリスの作家、アレックス・シアラーの最新作は、船乗りが集う海辺の町に母と姉の3人でつましく暮らす少年が、亡き父の面影を求めて書いた手紙を瓶につめて海に流す物語だ。
普段起こりえない出来事を奇跡の形で文中に織り込み、青少年の目から世界の成り立ちを微細にえぐるのを得意とするシアラーだが、今回もその試みは成功している。住所もあて名も書いていない海に流した「ガラスの封筒」は、だれのもとにたどり着くのだろう? 少年の奇異な行動を周囲からそっと見つめる海の男たちの目線も温かくて、愛にあふれる。
一読して、行間から漂い流れていた潮と磯の匂いのなごりを胸の隅にしまいながら、この夏はだれかと海にいってもいいかもしれないと、多くの読者が思うかもしれない。
産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。
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