今日(または直近)のうんちのかたち、色、量、においを覚えているだろうか? うんち=排泄物。正直言ってあまり率先して見たいものではなく、覚えていない、そもそも見ていない、という人が大半ではないだろうか。ところが、それは「損をしていますよ」。
「うんちはあなたを映す鏡。誰よりも『からだ』と『こころ』の状態を知っています。うんちをチェックする『観便(かんべん)』は、自分を知り、変えるための第一歩なのです」
「ウンログ」が初監修した本書『うんちを見るだけで腸ハッピー!――腸活メソッド』(主婦の友社)は、「観便」と「腸活」を通じてスッキリする方法をまとめた一冊。「ウンログ」とは、70万ダウンロードを突破した(2020年9月時点)うんち記録アプリ。アプリの利用者からは、「便秘が解消した」「肌の調子がよくなった」「ぽっこりおなかが凹んだ」「体重が減って、むくみもなくなった」「うんちを出すだけで幸せを感じるように」などの声が寄せられているという。
監修のウンログ株式会社は、うんち記録アプリ「ウンログ」の運営をはじめ、「からだ」と「こころ」の健康を映し出す鏡である"うんち"を使ったヘルスケアサービスを展開。うんちを観察する「観便」と、よいうんちを出すための「腸活」を通じて、誰もがおなかの中から健康管理を可能にする「すっきり革命」を起こすべく、「ウンTube」で日々の腸活情報を配信している。
本書の目次は以下のとおり。まず、うんちの基礎知識、気張らずつづけられる方法を学ぶ。そして、日々の生活の選択をちょっとずつ変えながら「腸活」を早速実践する。さらに、うんちの知られざる魅力に迫る構成になっている。
1 うんチェック――腸活するなら「うんち」を見よう
2 うん講座――誰でも簡単にできる腸活基礎知識
3 うんチャレンジ――ズボラでもできる「腸活」実践編
4 うん知識――知識はためても、うんちはためない!
腸は「第二の脳」と呼ばれる。近年、その重要性が広く知られるようになり、「腸活」関連本もよく見かける。本書は少なめのページ数だが、役立つ情報がぎっしり。うんちの基本から「腸活」の具体的な方法まで、オールカラー、イラスト・図・写真満載で紹介している。わかりやすさ抜群の本書は、「腸活」に興味はあるけど、どの本がいいかわからない! という人におすすめ。
ここでは、「腸活」の基本とポイントをいくつか押さえておこう。まず、「いまの状態を知るにはうんちから! うんち」から。口から取り入れた食べ物が体の中で消化・吸収され、うんちとして肛門から出てくるまでに24~72時間ほど。1日に何度も排便している人が健康とはいい切れないが、やはり「ため込むことは問題」という。
うんちは、体内の老廃物を排出してくれるもの。老廃物が体内にたまると、腸内環境が乱れるだけでなく、体の不調、体臭・口臭、肌荒れ、イライラなどの症状が現れることも。いまの自分の腸内環境や体調を知ることができ、時には病気の発見にも役立つうんち。「ただの排泄物として水に流すのはもったいない存在なのです」と念を押す。
「うんちは汚いものではなく、とても大事な情報を日々伝えてくれる存在。体からの大きなお便りなのです」
次に、「うんちは自分の健康状態を知るためのバロメーター! 観便」から。「観便」のチェックポイントは、「うんちのかたち」「色」「量」「におい」の4つ。
健康的なうんちの指標となるのが、1997年にイギリスのブリストル大学・ヒートン博士が提唱した便の性状分類「ブリストルスケール」。これはうんちの形状とかたさで7段階に分類するもので、国際基準として世界の医療現場で採用されているという。
「ブリストルスケール」によると、理想的なかたちは「バナナやソーセージ状」の「ぶりぶり」「ほそほそ」「ふわふわ」の3つ。水分量が理想的で、いきまなくてもスルッと出てくるタイプ。「ころころ」「かちかち」は、腸のぜん動運動が低下して腸内で水分が吸収されすぎている状態。「どろどろ」「びちびち」は、腸のぜん動運動が過剰で水分が吸収されずに排出された状態。
色は、「レモン」「オレンジ」「かつおぶし」。腸内環境が良好に保たれると腸内は弱酸性になり、うんちは理想的といわれる黄土色になる。量は、バナナ1本程度(150~250g)。ただ、重要なのはサイズより排便時のスッキリ感。うんちのカサ増し、腸のぜん動運動の促進に効く"腸"優秀食材として、サツマイモをすすめている。においは、腐敗臭のしないもの。「少し酸っぱい」「香ばしい」のがベスト。においが気になる場合、高タンパク・高脂肪の食事を避け、食物繊維や発酵食品を取り入れるといいという。
腸は免疫力の70%を作り出す重要な働きを担っているため、腸内環境が悪化すると免疫力は低下。がん、生活習慣病、うつ病の発症リスクが高まるという。近年の研究により、腸内環境を整えることは、便秘や下痢だけでなく、ダイエット、肌荒れ、病気の予防、精神の安定など、幅広い効果が期待できるといわれているそうだ。そんないいことずくめの「腸活」の基本は、「食事・運動・睡眠」の改善。なかでも食事は腸内細菌へ直接影響を与えるため、「食生活改善 腸活は食事が8割!」とウンログは考えている。
■「腸活」で心がけること
1 1日で食物繊維18g以上の摂取を目指す
2 1日に1.5~2Lを目安に適切な水分をとる
3 適度な運動を行う
4 しっかり睡眠をとる
5 すぐにやめず、2週間は継続する
「腸活」の大事なポイントとして挙げられている「うんちを出す」「腸内環境を整える」から、ここでは食事に関する部分を紹介しよう。
■プレバイオティクス(水溶性食物繊維・オリゴ糖)を意識する
・水溶性食物繊維は、水分を含んでうんちをやわらかくしてスムーズな排便を促す栄養素。大麦(押麦、もち麦など)、海藻類、リンゴ、キウイ、オクラ、ゴボウなど。
・オリゴ糖は、大腸まで届いて腸内細菌のエサになり、便秘や強い便臭を改善。バナナ、キャベツ、タマネギ、大豆、ハチミツなど。
■プロバイオティクスを取り入れる
・プロバイオティクスは、腸内環境の改善など、私たちの体によい影響を与える生きた微生物。代表は乳酸菌やビフィズス菌。プロバイオティクス食品は、みそ、甘酒、ヨーグルト、ぬか漬け、納豆、キムチなど。
プレバイオティクスにプロバイオティクス......文字だけでは混乱しそうになるが、本書は写真や詳しい解説入りで助かる。よほどの不調を感じない限り、体にいいとわかっていてもなかなか行動に移せないもの。しかし、本書を読むと「腸」が私たちのハッピーを左右する存在だとわかり、早速やってみたくなる。これからは「腸活」の観点から食料品を選ぼうと思う。
「私たちの体は毎日変化しています。変化に気づくこと、気づけるようになることが、健康できれいでハッピーに生きるためには必要です。そのためにはぜひ観便をしてください。そして、よりよいうんちを出すために腸活を取り入れてみてくださいね。まずは簡単にできることから始めましょう」
日本では約2000万人がおなかの悩みを抱えているという。人には言いづらい悩みだが、意外と多くの人が悩んでいるようだ。本書は、おなかのもやもやした悩みをスーッと解消してくれるだろう。
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