読むべき本、見逃していない?

首里城再建を願うすべての人に 報道写真集を緊急出版

報道写真集 首里城

 2019年10月31日未明、那覇市の首里城公園で火災が発生、首里城正殿と北殿、南殿がほぼ全焼するなど主要な7棟が全焼した。沖縄のシンボルとして沖縄県内外の人々に親しまれてきた世界遺産・首里城。その消失ははかりしれない損失であり、大きな衝撃を与えた。再建を願い、地元の沖縄タイムス社から、いちはやく本書『報道写真集 首里城』が緊急出版された。

炎上する首里城と悲しみにつつまれる住民

 表紙をめくると、当日午前4時30分に撮影された、正殿が炎上する写真が飛び込んでくる。真っ赤な炎を噴き上げ、骨組みだけを残すさまは、城が慟哭しているようにも見える。

 「ドキュメント10・31」が刻々と火災のようすを伝える。朝になっても煙につつまれる現場、離れたところから心配そうに見上げる住民、呆然と立ち尽くし、ハンカチに目を当てる女性、守礼門前で涙をぬぐう女子高生......。

 一報をつたえる沖縄タイムス号外も収められている。そして、その号外に見入る女性の姿。復元を明言する玉城デニー知事、すぐに再建へ動き出した人々のようすもとらえられている。

 焼失した美術品は400点を超えた。だが、2つの収蔵庫にあった琉球王国時代の美術品など1075点が全焼を免れたことが、勇気を与えた。

ありし日の貴重な映像

 本書は火災のようすを伝えるものだけではない。「戦前までの首里城」「沖縄戦で灰燼に」「跡地は琉大に」「1992年、復元なる」「2000年 サミット、2千円札、世界遺産登録」など、首里城がたどった歴史を豊富な記録写真、報道写真でふりかえっている。

 さらに「首里城祭 琉球王朝絵巻行列」など、首里城でよみがえった王朝文化の数々を伝える。

利益はすべて再建募金に

 後半は「首里城写真集」という構成だ。空撮によるありし日の首里城、ライトアップ、ライトダウンされ幻想的な雰囲気を醸し出す首里城、城郭をはじめ正殿など構造物を詳細な地図付きで解説している。まさに首里城尽くしの1冊だ。

 本書は11月15日に発行され、すでに4刷と増刷を続ける。本書の利益は全額、首里城再建募金に寄付される。

 県外から沖縄へ旅行し首里城を訪れた人、沖縄へ行ったら首里城に行きたいと思っていた人......首里城を愛するすべての人に見てもらいたい、意義ある写真集だ。全国の書店に置いてもらいたい。

 
  • 書名 報道写真集 首里城
  • 監修・編集・著者名沖縄タイムス社 編
  • 出版社名沖縄タイムス社
  • 出版年月日2019年11月15日
  • 定価本体1000円+税
  • 判型・ページ数A4判変型・87ページ
  • ISBN9784871272681

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