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話のおもしろい人は、相手を主語にする

「話のおもしろい人」の法則

 著者の野呂エイシロウさんは、放送作家兼PRコンサルタント。テレビ局や多くの企業に出入りし、さまざまな仕事をしているが、不思議と誰にも怒られたことがないという(クライアントにはライフネット生命、ビズリーチなど)。それどころか「野呂さんの話はおもしろい。元気になるよ」といつも好感をもたれるそうだ。特別に話術の達人でもない野呂さんが自覚しているのは、「自分を貫かない」ことだ。つまり、相手が求めていることをきちんと察知し、それに合わせて話す内容や話し方をカメレオンのように変えるのだ。おもしろいかどうかを決めるのは相手だからだ。

 これが最初の法則だが、意外と逸脱している人が多い。女性との会食の場で、ひたすら自分の趣味の話をしてひんしゅくを買っているのに気付かない男性が周囲にいませんか。

 48の法則をすべて紹介する訳にはいかないので、いくつか面白いと思ったものを挙げてみよう。

 
話のおもしろい人は、相手を主語にする
話のつまらない人は、自分を主語にする
 
会話が続く人は、「くまモン」が大好き
続かない人は、「くまモン」が大嫌い
 
なぜか好かれる人は、「たまたま」を強調する
煙たがれる人は、「ここだけの話」を強調する
 
なぜか好かれる人は、バレンタインの当日にお返しをする
煙たがれる人は、ホワイトデーにお返しを忘れる
 
なぜか怒られない人は、必ず直接会う
すぐ怒られる人は、電話やメールに逃げる

おもしろいだけの人は使えない

 野呂さんは「エピローグ」で、「僕は、ただ単におもしろいだけの人というのは、実は使えないと考えています」と明かす。おもしろさは「何か」とセットになることで初めて生きるという。その「何か」を持っている人とは、まじめに仕事ができる人、実直にテクニックを蓄積している人、冷静な判断力を備えている人、ある分野なら誰にも負けないオタク気質の人。そうした人に「おもしろさ」というオプションが備われば無敵なのではと説く。

 このほかにも、○利害が一致すれば「共犯関係」になれる! まずは相手のニーズを探ろう ○自己紹介での実績披露は過去1年以内まで。過去の栄光より最新情報を説明しよう ○メールは本文よりもタイトルにこだわれ! タイトルを見落とされたメールは闇のなかに消えていく などビジネスに参考になるヒントも紹介されている。

 女の人が「おもしろい! と感じる男性」とは、正確には「私がおもしろいと思うことをしゃべってくれる男性」だという。仕事だけでなく恋愛、友人関係にも応用できる心得が満載だ。2014年3月の発行で、現在17刷というから隠れたベストセラーだ。  

  • 書名 「話のおもしろい人」の法則
  • サブタイトル話しベタでも人の心をワシづかみにできる48の話し方
  • 監修・編集・著者名野呂エイシロウ 著
  • 出版社名アスコム
  • 出版年月日2014年3月 4日
  • 定価本体1300円+税
  • 判型・ページ数四六判・239ページ
  • ISBN9784776208211
 

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