為替相場は24時間眠りません。東京のマーケットが深夜で動いていないときでも、ニューヨークやフランクフルトでは活発な取引が行なわれています。
さらに、世界中のどこでも、為替レートは1つしかありません。東京の夕方のディーリングルームで見るドル円のレートは、同じ瞬間には朝であるロンドンのディーリングルームで見るドル円のレートと基本的に同じです。つまり、世界中の市場参加者そのものが外国為替市場であるわけです。
◎外国為替取引の世界の第一線で活躍している著者が解説
本書『本当にわかる為替相場』の著者、尾河眞樹氏は、ファースト・シカゴ銀行、JPモルガンなどで為替ディーリングの業務に従事し、現在はシティバンク銀行で個人金融部門のアナリストとして活躍しています。長年、外国為替取引の世界の第一線で活躍している尾河氏が、自らの経験をもとに、為替相場の基礎的な知識から最新の予測ツールまでを解説した一冊となっています。
その「深さ」と「わかりやすさ」「客観的な視点」から、藤巻健史氏と浜矩子氏という、為替や経済予測では双璧をなす二人の巨匠が揃って本書を推薦しています。
◎為替レートの正しい見方とは
基礎的な知識の一例としては、たとえば毎日のニュースで報道されている為替レートについての見方が挙げられます。
新聞では、円相場の前日の終値が「1ドル78円10銭~15銭」などと書かれているのをよく目にしますが、これは、この間で外国為替が取引されているというわけではなく、ビッド(買い値)が78円10銭、オファー(売り値)が78円15銭という意味なのです。
本書で書かれている、このような為替についての基礎的な知識を身につけておくだけでも、日頃の経済ニュースに対するとらえ方が変わってくるのではないでしょうか。
◎どのような経済指標や要人発言が為替相場を動かすのか
また、為替相場を動かす可能性のある米国雇用統計についての注目すべきポイントなど、各経済指標の見方についても解説。さらに、米国の大統領や各国中央銀行の総裁をはじめとする、為替を動かす要人たちの発言に対する適切なとらえ方といった事柄にも言及しています。
FXなどの外国為替取引に興味を持っている人や、取引をすでにしている人にとっても、相場を動かす様々な要因を確認しておくことで、改めて為替の世界の奥深さを認識することができます。
為替相場は日々変動していますが、その世界で生き抜くために大切なのは、「リスクとリターンのバランス感覚」だと著者は言います。そのバランス感覚のベースには金融市場や経済に対する“常識”が必要です。
だからこそ本書に書かれているような知識を一通り身につけ、為替相場についての適切な判断力を養っておくことが重要なのだといえるでしょう。
本当にわかる為替相場
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書名:本当にわかる為替相場
著者:尾河眞樹