2023年9月21日、小学4年生のかとうゆみさんと、その祖父である加藤宙さんによる初句集『六歳の俳句 ~孫娘とじっちゃんの十七音日記~』(光文社)が発売された。
本書は、祖父の勧めで俳句を6歳から始め、朝日新聞俳壇の"常連"になっている小学4年生のかとうさんが、師匠の「じっちゃん」に見てもらいながら、どうやって俳句を作り続けてきたかを記した句集。
現在までに500作以上を作ってきたというかとうさんの経験は、これから俳句を始めたいという子どもや、その両親、祖父母に役立つ内容となっている。巻末には付録として「わたしの俳句帖」もついてくる。
子どもは誰も俳句を詠む才能を持っているのです。生まれながらにして俳人であり詩人なのです。俳句にかぎらず、話し言葉や書き言葉を生き生きと使う能力が備わっています。
その子どもの独特の見方や考え方を見逃したり否定したりせず、きちんと受け止めてあげるだけでいいのです。
そして、言葉をていねいに投げ返してあげる。この簡単なキャッチボールの繰り返しのなかで生まれる言葉がある。それが詩であり俳句であるといっていいでしょう。
(あとがきより)
【目次】
はじめに
序 いもうとにもうすぐあえるチューリップ
第一章 夏 びっくりまあくがすっとんだ
第二章 ひかり これがさいごのせきがえか
第三章 いのち みみずにかかれはるのあめ
第四章 少女 だれかにあげるためのかみ
第五章 希望 いいことがあるかな
第六章 こどもは誰でも俳人です
巻末特別付録 「わたしの俳句帖」
■かとう ゆみさんプロフィール
千葉県内の小学校に通う4年生。祖父の勧めで俳句を6歳から始め、小学生ながら朝日俳壇で入選を果たす。いまや朝日俳壇に入選する数少ない小学生のひとりでもある。将来の夢は、スクールカウンセラー。好きな食べ物は、お寿司、ばっちゃんの蕎麦、じっちゃんのオムライス。
■加藤宙さんプロフィール
かとう・ちゅう/1943年、茨城県生まれ。66年茨城大学教育学部卒業。同年、教員生活に入り小学校教諭から大学の非常勤講師まで務め、89年、インドネシアのスラバヤで日本人学校教頭に。帰国後、小学校校長、中学校校長などを務め、退職後も幼稚園園長や教育に関わる仕事に携わる。幼稚園から大学まで全学校教育段階の指導、小1から中3までの担任を経験。俳句については、2007年から作句、「朝日俳壇」に投稿。「頷かぬ眼の真直に鳥交る」の句が金子兜太選で初入選。14年、「微笑みに虹を残して子の眠る」で第30回「朝日俳壇賞」受賞。短歌では18年、平成29年度「NHK全国短歌大会」特選に。「朝日俳壇」入選55句、「朝日歌壇」入選28首。
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