2023年8月21日、作家・宮内悠介さんによる中編小説『ラウリ・クースクを探して』(朝日新聞出版)が発売された。6月16日に発売された「小説トリッパー2023年夏号」に300枚を一挙掲載した本作は、単行本発売前にすでに読売新聞・毎日新聞にて紹介されるなど、話題作となっている。
著者は、デビュー作『盤上の夜』が直木賞候補となり、その後「カブールの園」「ディレイ・エフェクト」が芥川賞候補になるなど、ジャンルを越境して活躍を続ける宮内悠介さん。今回はソ連時代のエストニアを舞台に、文芸評論家の鴻巣友季子さん曰く「リアルな偽史」を展開しているという。
【作品のあらすじ】
ソ連時代のバルト三国・エストニアに生まれたラウリ・クースク。黎明期のコンピュータ・プログラミングで稀有な才能をみせたラウリは、魂の親友と呼べるロシア人のイヴァンと出会う。だがソ連は崩壊しエストニアは独立、ラウリたちは時代の波に翻弄されていく。彼はいまどこで、どう生きているのか? ――ラウリの足取りを追う〈わたし〉の視点で綴られる、人生のかけがえのなさを描き出す物語。
■宮内悠介さんプロフィール
みやうち・ゆうすけ/1979年、東京都生まれ。幼少期をニューヨークで過ごす。2012年の単行本デビュー作『盤上の夜』で日本SF大賞、13年『ヨハネスブルグの天使たち』で日本SF大賞特別賞、また同年に「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody」賞、 17年『彼女がエスパーだったころ』で吉川英治文学新人賞、『カブールの園』で三島由紀夫賞、18年『あとは野となれ大和撫子』で星雲賞(日本長編部門)、20年『遠い他国でひょんと死ぬるや』で芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。著書に『超動く家にて』『かくして彼女は宴で語る 明治耽美派推理帖』など多数。
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