友人を家に招いたら、手土産を持ってきてくれた。包みからして有名店のスイーツのようだ。お礼を言いつつ受け取りながら、「お茶菓子は用意してあるんだけど、出さないと気を悪くするかしら。いや、いただきものを相手に出すのはむしろ失礼?」と迷う。こういう場合はどっちが正解?
そんな、日常のなにげない場面で、大人ならどうふるまうべきかを教えてくれる一冊が、『素敵なあの人特別編集 なにげない瞬間に素敵、と思われる大人の所作』(宝島社)だ。
形式や正しさよりも、相手を配慮し、「不快にさせない」という基本ルールをもとに、シーン別の「本当に素敵に見える」ふるまいかたから、冠婚葬祭の基本マナー、品格が漂う言葉遣いや、「怒り」から自分を守る対処法まで、美しい所作ができるようになる品性の磨き方を紹介している。
さて、冒頭のシーンだ。本書によると、手土産を出すべきか否かの判断基準は「生ものかどうか」。ケーキなど、当日中に食べるようなものであれば、その場で出すのが正解だ。その際は、きちんと皿に取り分け、自宅のカトラリーと一緒に出そう。
焼き菓子などの賞味期限が短いものは、その場で出す必要はない。いずれにしても、相手が何を持ってくるかはわからないので、お茶菓子は用意しておこう。
本書の目次は以下の通り。いずれの項目もその分野の専門家が指南してくれるので、心強い。
■[特別付録]食べるときの大人の所作
監修/小倉朋子 「トータルフード」代表、「食輝塾」主宰
■シーン別 本当に素敵に見える 大人の所作
■品格が漂う言葉遣い
■品性を奪う「怒り」から自分を守る対処法
■冠婚葬祭の基本マナー
■素敵な大人なら知っていたい! 贈り物のマナー
■エレガントな人ほど大切にしている 春夏秋冬・日本の行事
監修/鹿島しのぶ 「総合会話術仟言流」代表
■格別にエレガント 心に響く皇室マナー
高清水有子 皇室専門家、皇室コメンテーター
■一流を知る人が教える 素敵な印象を与える所作
竹田理絵 茶道裏千家教授
坂東ありか 日本舞踊坂東流師範
新井直之 「日本バトラー&コンシェルジュ」代表
監修者のひとり、鹿島しのぶさんは、「価値観が多様化している今、絶対に正しい!というものはなくなりつつあります。正しさよりも、素敵に見え、相手が気持ちよく過ごせるような所作を身につけることが大切になってきています」と説いている。マナーの本来の目的は、互いが快適に、良い時間を過ごすこと。自分はできているからといって、そのマナーを周囲の人に強いたり、自分のマナーでマウントを取ったりするのは本末転倒だ。相手も自分も幸せになれる、「本当に素敵な」大人の所作を身につけよう。
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