「爽健美茶」に「ジョージア」に「十六茶」。今でも店頭で売られ続けているこれらの人気飲料が、発売当初はまったく違う姿をしていたことを知っているだろうか。
今回は、2023年6月16日に発売された書籍『日本ジュースクロニクル』(辰巳出版)から、さまざまな有名飲料の発売当時のデザインを紹介する。
最初に紹介するのは、三ツ矢サイダー(1884年生まれ)に次ぐ歴史の長さを持つ国産炭酸飲料「リボンナポリン」。名前は、地中海沿岸を代表する柑橘類であるブラッドオレンジ果汁を使用したことから、イタリアの都市ナポリにちなんで命名された。
画像にあるのは70年代の姿だが、生まれたのは1911年のこと。当時人気だった国産サイダー「リボンシトロン」の姉妹製品として発売され、発売から110年以上経った今では、北海道限定のソウルドリンクとして親しまれている。
1975年には、缶コーヒー「ジョージア」と「マックスコーヒー」が生まれた。
「ジョージア」はコカ・コーラが国内独自ブランドとして立ち上げた缶コーヒーブランドで、缶コーヒーでは後発ながら、自動販売機での販売により短期間でシェアを拡大。マイルドな甘みで子どもから大人まで飲みやすいコーヒーとして大人気になった。商品名は、コカ・コーラの本社がある米ジョージア州からのネーミングだ。
「マックスコーヒー」は、「ジョージア」立ち上げと同時期に、利根コカ・コーラボトリング(現コカ・コーライーストジャパン)が千葉・茨城限定で発売した缶コーヒー飲料。こちらは千葉県民のソウルドリンクとなった。
90年代以前、リサイクルの必要性からペットボトルが急速に普及するまでは、清涼飲料水はふつう缶で売られていた。もちろん、いまではペットボトルのイメージしかない「爽健美茶」や「十六茶」も、発売当初は「缶のお茶」だったのだ。
90年代前半には、様々な種類の茶葉や樹の実などをブレンドしたオリジナル茶飲料が流行していた。その流れに乗って、コカ・コーラは、元は「紅茶花伝」なども属していた「SIMBA/神葉」ブランドから無糖茶飲料ブランド「茶流彩彩」として再構築。「爽健美茶」はそのバリエーションのひとつだった。
一方、十六茶は、シャンソン化粧品が開発し、ティーバッグとして発売したのがブランドの始まりで、1993年からアサヒ飲料と提携し、缶とペットボトルで『お茶どうぞ』シリーズの一つとして発売されたのが人気のきっかけだった。
どのデザインも素朴でレトロなかわいさがあり、独特な魅力を放っている。懐かしいと思う人にも、初めて見たという人にもオススメの1冊だ。
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