ヨーグルトのフタを開けたら、中身が飛び散って服についてしまったという経験はないだろうか。子どもがベロベロなめるのが嫌、という方もいるのでは。
ところが最近では、フタを開けても飛び散らないどころか、まったく付着した形跡もない商品がある。輸送中にくっついたりしないのかな? と不思議に思っていたら、そこには隠された「ひみつ」があった――。
このたび、「日本パッケージデザイン協会」監修のもと、私たちが無意識に受け取っているデザインの秘密をまとめたユニークな本が登場した。2023年5月8日発売の『パッケージデザインのひみつ』(グラフィック社)では、技術や表現に隠された「ひみつ」を紹介している。
ヨーグルトのフタの謎については、こんなエピソードが。
1994年に発売し、大ヒットしたアロエヨーグルト。1日平均10万個を売り上げるほどの人気だったが、フタに付着したヨーグルトが飛び散る、もったいないといった声が寄せられ、パッケージの改良を迫られた。
そこで、フタ材を供給していた東洋アルミニウムの開発者は、300種類以上ものテストを繰り返したものの、すべて失敗。神頼みに会社のお稲荷さんをお参りした時、近くの池の蓮の葉に目が留まった。葉っぱの上を水滴が玉になって転がる様子を見た開発者は「これだ!」とさっそく構造を調べ、繊細な突起物がついていることを確認。同じものを作ろうと試行錯誤してできあがったのが、「ヨーグルトが付かないフタ」だった。
蓮の葉をヒントにしたこの技術は、「TOYAL LOTUS(R)」という特許をとっている。
本書ではこのように、いつも見ている商品のパッケージに込められたデザインのひみつを紹介していく。さまざまな制約の中で工夫を凝らし、使いやすさや訴求力、意匠性が実現されてきたことに気づくだろう。
コンビニで売っている商品のパッケージにもたくさんの工夫が隠されていることがわかる。商品を魅力的にする工夫は、どれも消費者は無意識に受け取るものばかりだ。毎日の買い物で見える世界が変わるかも?
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