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「バンドって何?」サカナクション山口、くるり岸田ら5人の答えがロックンロール

バンド論

   「バンドとは何か」そんな漠然とした問いかけに、有名バンドのフロントマン5人が真摯に向き合って、答えを出した。

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   3月3日に発売された『バンド論』(青幻舎)は、バンドの魅力や不思議さを、サカナクションの山口一郎さん、bonobosの蔡忠浩さん、くるりの岸田繁さん、サニーデイ・サービスの曽我部恵一さん、ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロトさんに尋ねたインタビュー集。2021年1月から2月にかけて「ほぼ日刊イトイ新聞」で連載された特集「バンド論。」に加筆修正して書籍化された。

サカナクション山口にとっては「植物園」

   はたから見るとそんなに仲が良さそうではないのに、いざステージにたって音を鳴らすと、ぴったりと息の合った心震える瞬間が生まれる。ある一瞬においては、ダイヤモンドにも負けない硬さで結合しているのに、次の瞬間にはごく簡単な力で分解されてしまう人間の集合体。そんなバンドの魅力とは一体、何なのか。

   サカナクションの山口さんは、「個性が個性のまま活きる塊だけど、一歩引いて見たら、ひとつの世界が広がってる」というバンド観を植物園になぞらえる。

   bonobosの蔡さんは、作詞や作曲をしたり、その歌を歌ったりする「理由」そのものが、「バンドだったから」であり、バンドは「歌を歌う場所」だと表現する。

   くるりの岸田さんは「くるりがくるりでいること」、さまざまに形を変えてきたくるりという音楽について語る。

   サニーデイ・サービスの曽我部さんは「スリーピースの無限の可能性」をバンドの原点から語る。

   そして、ザ・クロマニヨンズのヒロトさんは、いまだに憧れが止まらない「バンド」への思いと、「ロックンロールとは何か」について明かす。

装丁にもこだわり。最大の見どころは?

   ブックデザインを手がけたのは、祖父江慎さんだ。各章に貼り込まれたフロントマン5人のポラロイド風ポートレイトは職人によって1枚1枚手貼りされたもので、本書最大の見どころとなっている。

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 書籍版の特別コンテンツとして、本書のために「バンド」をテーマに書き下ろされた、燃え殻さんによるエッセイと今日マチ子さんによる短編マンガも収録されている。

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■コンテンツ一覧

・サカナの泳ぐ植物園。
 山口一郎にとってバンドとは何か
 ―サカナクション 山口一郎

・歌う理由、歌う場所。
 蔡忠浩にとってバンドとは何か
 ―bonobos 蔡忠浩

・くるり感?
 岸田繁にとってバンドとは何か
 ―くるり 岸田繁

・全身全霊バンド、一生懸命ロック。
 曽我部恵一にとってバンドとは何か
 ―サニーデイ・サービス 曽我部恵一

・甲本ヒロトは、こう言った。
 ロックンロールについて教えてくれた51分54秒
 ―ザ・クロマニヨンズ 甲本ヒロト

   バンド経験はなくても、彼らの熱い思いに触れると、心の内側がじんわりと温かくなるはず。ストレートに語られるバンドへのピュアな思いをぜひ、その目で確かめてほしい。

<プロフィール>
■山口一郎さん
やまぐち・いちろう/2007年に「サカナクション」としてメジャーデビュー。文学的な言語感覚で表現される歌詞と、幅広い楽曲のアプローチは新作をリリースするたびに注目が集まり、第64回NHK紅白歌合戦に出場、第39回日本アカデミー賞にて最優秀音楽賞をロックバンドとして初受賞するなど、その活動は高く評価されている。2020年8月にはバンド初のオンラインライブを実施し、2日間で6万人の視聴者を集め話題となった。

■蔡 忠浩さん
さい・ちゅんほ/2001年に結成された「bonobos」のボーカリスト/ギタリストで作詞曲担当。蔡の作曲センスと音楽的探究心から生み出される楽曲を、バンドの圧倒的な演奏力と伸びやかなボーカルが奏でることにより、唯一無二のポップ・ミュージックとして国内外のリスナーから高く評価され続けている。ここ数年はバンドやソロ活動の枠を越え、舞台の音楽監督や映像への音楽提供なども行う。

■岸田 繁さん
きしだ・しげる/1996年に立命館大学(京都市北区)の音楽サークル「ロック・コミューン」にて結成されたロックバンド「くるり」のボーカリスト/ギタリスト。1998年にシングル『東京』でメジャーデビュー。代表作は『ばらの花』『Remember me』など。ソロ名義では映画音楽のほか、管弦楽作品や電子音楽作品なども手掛ける。

■曽我部恵一さん
そかべ・けいいち/1990年代初頭より「サニーデイ・サービス」のボーカリスト/ギタリストとして活動を始める。1995年にファーストアルバム『若者たち』を発表。70年代の日本のフォーク/ロックを90年代のスタイルで解釈・再構築したまったく新しいサウンドは、聴く者に強烈な印象をあたえた。2001年にシングル『ギター』でソロデビュー。2004年に自主レーベルROSE RECORDSを設立し、インディペンデント/DIYを基軸とした活動を開始する。以後、「サニーデイ・サービス」/ソロと並行し、プロデュース・楽曲提供・映画音楽・CM音楽・執筆・俳優など、形態にとらわれない表現を続ける。

■甲本ヒロトさん
こうもと・ひろと/2006年7月の『出現』以来、精力的に活動を続けている「ザ・クロマニヨンズ」のボーカリスト。過去、「ザ・クロマニヨンズ」のギタリスト・真島昌利とともに、「ザ・ブルーハーツ」「ザ・ハイロウズ」としても大活躍。一般のファンだけでなく、多くのミュージシャンからも熱狂的な支持を受けている。


※画像提供:青幻舎


  • 書名 バンド論
  • 監修・編集・著者名山口一郎(サカナクション)
    蔡忠浩(bonobos)
    岸田繁(くるり)
    曽我部恵一(サニーデイ・サービス)
    甲本ヒロト(ザ・クロマニヨンズ)著
  • 出版社名青幻舎
  • 出版年月日2023年3月 3日
  • 定価2,200円(税込)
  • ISBN9784861528590

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