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第44回吉川英治文学新人賞は『おんなの女房』に!

おんなの女房

 2023年3月2日、第44回吉川英治文学新人賞の選考会が行われ、蝉谷めぐ実さんの小説『おんなの女房』(KADOKAWA)の受賞が発表された。

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『おんなの女房』(KADOKAWA)

 吉川英治文学新人賞は、毎年1月1日から12月末日までに新聞、雑誌、単行本等に最も優秀な小説を発表した作家の中から、最も将来性のある新人を選ぶ文学賞。近年では、一穂ミチ『スモールワールズ』(講談社)、加藤シゲアキ『オルタネート』(新潮社)、武田綾乃『愛されなくても別に』(講談社)などの話題作が受賞してきた。今回の選考委員は、朝井まかてさん、大沢在昌さん、京極夏彦さん、辻村深月さん、村山由佳さんの5名。贈呈式は、4月11日に行われる。

 受賞作『おんなの女房』は、文政期江戸の歌舞伎界を舞台にした時代小説。歌舞伎を知らないまま役者のもとへ嫁いだ武家の娘・志乃と、女より美しい「女形(おんながた)」役者・喜多村燕弥。いびつな夫婦を描いた、唯一無二の恋物語だ。

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朝井まかてさん(作家)
かくも凄まじきは芸の道、妖しくも愛おしきはこの夫婦の恋。
いつしか心玉を転がされ、泣き笑いしていました。

一穂ミチさん(作家)
よっ、蝉谷屋!と喝采を送りたい。男とは、女とは、夫婦(めおと)とは。
江戸の粋が織りなす、儚くも濃密な情念の錦。

伊東潤さん(作家)
独自の世界を構築し、引き込んだら放さない無類の吸引力がある。比喩には絶妙な味わいがあり、色彩豊かで五感に訴える描写は天性のもの。リズム感ある文章は落語の名調子を聞いているようだった。

今村翔吾さん(作家)
面白かった。江戸の歌舞伎役者の女房という題材もいいし、文体も読みやすく、心の機微の描き方が秀逸で、独自の世界観ができている。
今後さらなる飛躍を見せるであろう蝉谷めぐ実を、今のうちから読んでおくことをお勧めする。
【著者受賞コメント】
とても名誉ある賞をいただき、大変ありがたく嬉しく思います。この本に関わってくださった皆様に御礼申し上げます。ありがとうございます。 蝉谷めぐ実
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■蝉谷めぐ実さんプロフィール
せみたに・めぐみ/1992年大阪府生まれ。早稲田大学文学部で演劇映像コースを専攻、化政期の歌舞伎をテーマに卒論を書く。広告代理店勤務を経て、現在は大学職員。2020年、『化け者心中』で「第11回小説 野性時代 新人賞」を受賞し、デビュー。21年に同作で「第10回日本歴史時代作家協会賞新人賞」「第27回中山義秀文学賞」を受賞。22年に『おんなの女房』で「第10回野村胡堂文学賞」、23年に「第44回吉川英治文学新人賞」を受賞。


※画像提供:KADOKAWA

 
  • 書名 おんなの女房
  • 監修・編集・著者名著者:蝉谷めぐ実
  • 出版社名KADOKAWA
  • 出版年月日2023年1月28日
  • 定価1,815円(税込)
  • 判型・ページ数四六判・272ページ
  • ISBN9784041114421

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