(企画名)#木曜日は本曜日
歌手・タレントのきゃりーぱみゅぱみゅさんは、コロナ禍の自粛期間から本を読み始めたのだそう。ライブの演出を考えるために映画などからインプットをしていたら「マジで目が疲れちゃって(笑)」、ふらっと書店へ行ったのだという。
そのとき出合ったのが、お笑いコンビ・阿佐ヶ谷姉妹の日常をつづったエッセイ『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』(幻冬舎)。表紙のイラストに惹かれて購入し、アメリカのフェスへ出演するときにも持って行ったほど、癒しの「お守り」になったのだそうだ。
「週に1回街の本屋さんに足を運んでもらおう」と、東京都書店商業組合が立ち上げたプロジェクト〈#木曜日は本曜日〉。毎週木曜日に著名人・インフルエンサー・作家が「人生を変えた本」を紹介する、〈東京○○書店〉が更新中だ。これまでに松岡茉優さん、加藤シゲアキさん、呂布カルマさんらが登場した。
きゃりーぱみゅぱみゅさんの「人生を変えた本」1冊目は、読書を始めるきっかけとなった『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』。続いて紹介したのは、全く毛色の違う、意外な本だった。
きゃりーさんが2冊目に紹介したのは、押見修造さんのマンガ『血の轍』(小学館)。「究極の毒親」を描いたサイコサスペンスだ。ツアー中にホテルで一気読みしたのだという。きゃりーさんといえばポップでキュートな作品が多いが、「エグい系というか、後味悪い作品も結構好きなんです」と語る。
しかも、かつて付き合っていた恋人の一人が『血の轍』の母親に似たところがあり、「後から考えるとちょっとサイコパスかも」という人物だったそう。母親はある容疑を日によって認めたり認めなかったりするのだが、その恋人も「付き合っている」「ただの友達」と日によって言っていることが違ったそう。
この母親に近い人と出会ったことがあるなっていうのもあって、吸い込まれるように読んでいっちゃいましたね。
ぞっとする作品と同じような出来事が、なんときゃりーさん自身にも......。もしかしたら、共感する読者が他にもいるかもしれない。
3冊目は『天狗にさらわれた少年』(KADOKAWA)。江戸時代の国学者・平田篤胤が著した『仙境異聞』の現代語訳版という、またしても意外なセレクトだ。老人の壺に吸い込まれ遠い山の山頂に出て、天狗になる修行をした少年の話を、平田篤胤が直接聞いて書いたという江戸のベストセラーだ。
きゃりーさんは、この本をベーシストのハマ・オカモトさんに紹介されたのだそう。ハマさんとは、UMA(未確認動物)やUFO、宇宙の話をし合う友達。なぜ、きゃりーさんはオカルトが大好きなのだろうか?
未知なる世界に興味があるというのはあるかもしれません。『血の轍』もそうですけど、自分があまり経験したことのないことを詳しく書いてあるものに興味があるのかもしれないですね。「こういう世界があるんだ!」とか。
ここ数年で読書にハマったばかりのきゃりーさん。本をめぐる好奇心は、まだまだ尽きなさそうだ。
動画後半では、東京都杉並区西荻窪の「今野書店」へ。きゃりーさんは、歴史コーナーを歩きながら「一時期、歴史の専門家が出している本を集めていた」という、これまた新たな興味を告白した。
日本史なんですけど、「本当は面白い日本史」みたいな感じで結構カオスなことが書かれてて、「徳川家康は実はおもらしを頻繁にしていた」みたいな(笑)。(中略)
そういう本にもっと早く出会えてたら、もっともっと高校生の時とか勉強したくなってただろうなと思いました。
ステージや衣装にも本で得たインスピレーションを生かしてみたいと語るきゃりーさん。これから、本を通してきゃりーさんの世界観がどう広がっていくのか楽しみだ。
〈きゃりーぱみゅぱみゅさんの「人生を変えた本」10冊〉
『血の轍』押見修造(小学館)
『変な家』雨穴(飛鳥新社)
『野心のすすめ』林真理子(講談社)
『天狗にさらわれた少年 抄訳仙境異聞』平田篤胤著、今井秀和訳(KADOKAWA)
『ダルちゃん』はるな檸檬(小学館)
『消えない月』畑野智美(KADOKAWA)
『ココ・シャネルの言葉』山口路子(大和書房)
『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』阿佐ヶ谷姉妹(幻冬舎)
『ギャルと恐竜』森もり子原作、トミムラコタ作画(講談社)
『座敷女』望月峯太郎(講談社)
〈東京○○書店〉は毎週木曜日に更新される。次回は誰が登場するのだろうか。
〈#木曜日は本曜日〉公式サイトはこちら。→https://honyoubi.com/
東京の各書店では〈#木曜日は本曜日〉オリジナルデザインのしおりを配布している。配布店舗の一覧はこちら。→https://honyoubi.com/assets/data/present_shoplist.pdf
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