島国の日本では、日常生活で「国境線」を意識する機会はめったにないが、世界に目を向ければ、長い歴史の中で国境線が何度も設定しなおされてきた。そのため、複雑で何とも不思議な国境線も生まれてきた。
そんな国境線のマニアによる本が発売された。旧ユーゴスラヴィア(現セルビア)生まれのゾラン・ニコリッチさんは、幼少期から紛争や政争が身近にあり国境が引き直されるのを何度も見てきた。生粋の境界マニアによる解説がユニークだ。
2023年1月24日『奇妙な国境や境界の世界地図』(創元社)が発売された。
本書では、「境界マニア」のニコリッチさんが厳選した世界約50か所の国境や境界、飛地、ゴーストタウンなどが紹介されている。これまでになかった地図ブックだ。デフォルメされてわかりやすいデザインなので、地図が苦手でも読みやすい。
では、本書の内容を一部紹介していこう。
ロシア最大の飛地の「カリーニングラード」は、第二次世界大戦でソ連がドイツから割譲した領土だ。
4kmしか離れていない2つの島なのに、日付が1日違う...!?「ダイオミード諸島」は、ロシアとアメリカの間で分割されているので、異なる日付が採用されている。
こちらは、独立のために戦う自治州「アルメニアーアゼルバイジャン国境」。アゼルバイジャンとアルメニアには、それぞれの飛地があるが、弾圧によって無人になった町もあるという。
フランスとスイス国境線上にある村「ラ・キュール」では、なんと、村のホテルの中を国境線が通過している。そのため、スイートルームのダブルベッドが分断されるようだ。
そして、女人禁制の掟を守っている世界唯一の国家があるという。ギリシアの自治領域のアトス自治修道士共和国は、世界で唯一、男性しか住んでいない地域だ。
世界にはまだまだ、私たちが知らない国や地域がたくさんある。国境に注目して地図を見てみると、新たな発見がありそうだ。
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