日本人の5人に1人が不眠症で悩んでいるという。音楽を聴く、ツボを押す、液晶画面を見ない......など対処法はいろいろあるが、もう1つ取り入れてみてほしいのが「眠れる物語」を読むことだ。
本書『3分読むだけでグッスリ眠れる本』(秀和システム)は、「一流大学の科学的な根拠(エビデンス)がある、大人のための読むだけで眠くなる『おやすみ本』」。
著者の弥永英晃(やなが ひであき)さんは、臨床歴22年で1万2000人以上の症状を改善させてきた眠り専門の心理カウンセラー。現在、予約5年半待ちの状態だという。
本書は「第1部 眠くなるための準備~なぜ、あなたはこの物語で眠くなるのか?」「第2部 読むだけでウトウト眠くなる11の物語」の構成。1つの物語につき3分で読める。
どんな物語なのか。なぜ読むだけで眠くなるのか(退屈で寝落ちするという意味ではない)。仕組みが気になるし実際に読んでみたい、という人も多いのでは? BOOKウォッチでは、本書の眠くなる秘密と物語の試し読みを2回に分けてお届けする。
【この本の使い方・読み方】に、「初めてこの本を読むときは、第1部を読み飛ばさずに必ず読んでください」とある。科学的効果の説明を理解してから第2部を読まないと、効果が半減してしまうとのこと。というわけで、ここでは第1部のポイントをかいつまんで紹介しよう。
本書の仕組みは、あなたの「心の潜在意識」にアクセス→心をリラックスさせて眠くするというもの。人の心は「意識」と「潜在意識(無意識)」の2つに大きく分類される。
■船から見えている部分の氷山(先端のほんの一部分)=意識
■船から見えていない海面下の氷山(大きく隠れた部分)=潜在意識
意識と潜在意識の割合は1:9。私たちが「意識できる意識」は、全体の10%しかない。つまり、10%の意識の力を使って努力するより、90%の潜在意識にアプローチしたほうが効率的かつ合理的ということになる。
「潜在意識に暗示を入れて物語を読むことで、ウトウト眠くなり、さらに暗示効果でポジティブになれるように、この本を作りました」
そこで必要になるのが「イメージの力」。第2部の物語を読みながら風景・人物・出来事をイメージすることになるが、じつは「潜在意識は、現実と想像(イメージ)を区別できない」という。
たとえば、目を閉じてイメージの中で、「梅干しを食べるのを想像して噛んでみて!」と言われたとする。すると、口中に唾液が広がってくるだろう。
これはイメージ=潜在意識は区別がつかない=体の反応として唾液が出る、という現象が引き起こされたから。映画でも本でも、これは「作りモノ」とわかっていながらドキドキしたり冷や汗が出たりするのは、現実とイメージを区別できないからなのだそうだ。
これが、第2部の物語を読む(想像する)ことで、体がリラックスして眠くなる理由というわけだ。
「この本では、第2部を読むだけで、自然と催眠状態へと誘導するような暗示がちりばめられているのです。あなたも、物語を読みながら、自然と、寝る前の潜在意識にダイレクトにアクセスできるようになります」
次回は「眠れる物語」の試し読みをお届けする。その前に、読むときのコツをチェックしておこう。
【この本の使い方・読み方】(抜粋)
・一人になれる静かな環境で読んでください。
・文章の末端にある()内の部分は、その通りに従ってください。たとえば(あくび)と書いてある場合は、実際に「あくび」をしてください。
・文中の太字の箇所は、いつもよりもゆっくり、自分に語りかけるように読んでください。なお、物語全体をゆっくり音読すると、さらに効果が出ます。
ちなみに、あくびは神経のストレスをもっとも速く解消する方法の1つと言われ、あくびをすることで心配が減少して幸福感に満たされる効果が、そして音読をすることで気持ちが落ち着いてストレス解消になる効果が、それぞれ期待できるという。こうした科学的根拠のある仕掛けが、物語のあちこちに潜んでいてわくわくする。
さて、あなたは1話3分読むだけでウトウト眠くなるだろうか? ぜひ試してみてほしい。
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■弥永英晃さんプロフィール
やなが・ひであき/カウンセリング学博士・心理カウンセラー・快眠セラピスト。22年間に1万2000人を超えるクライアントを98%も回復させ、全国からクライアントの予約が殺到し、現在は予約5年半待ち。著書に『症状改善率98%のカリスマ心理カウンセラーが明かす パニック障害の不安がスーッと消え去る17の方法』『「脳科学×心理学」で自己肯定感を高める方法』(以上、大和出版)など多数。『スグ効くおやすみ絵本 子猫のクウ ねむり城への大冒険』(東邦出版)が4万部のベストセラーになり、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌で「画期的な絵本」と話題になった。累計21万部超。
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