30歳、フリーターのデラさん。22歳でうつ病になり、現在9年目だ。現在も薬を飲み、通院している。
デラさんは、一時はうつの"底"にいたという。しかしあることがきっかけで、生きるうえでの考え方が変わり、「人生、悪くないかも」と思えるようになったそうだ。
デラさんをうつから回復させた考え方とは、「村人Aになること」。いったいどういうことだろうか。
うつ病経験者だからわかる、デラさんの「リアルに効果があったこと、なんとか生き延びるための工夫」が本になった。『うつ病で20代全部詰んでたボクが回復するまでにやったこと』(サンクチュアリ出版)だ。
うつの"底"にいるとき、デラさんはこんな状態だったという。
・文字が読めない
・ずっと横になっていた記憶しかない
・トイレまでハイハイで行く
・眠れない、またはひたすら寝る
・食べられない、またはひたすら食べる
"普通"のことが"普通"にできなくなり、人生の難易度が爆上がり。そんな状態から回復に向かったきっかけとは、4年前の自殺未遂だった。死にきれなかったことを受けて、デラさんはこう考えたという。
「いったん死んだ自分だから、残りの人生は"おまけ"。第2章は主人公じゃなく、サブキャラの村人として生きるか~」
村人として「テキトー」に生き始めると、なんと人生が「意外と楽しくね?」と思えるようになったのだそうだ。そしてデラさんは、この経験にもとづいてうつ病の治し方の記事を書き、累計200万PVを集めた。現在は、ネット上で「うつ病恋愛アドバイザー」として活動している。
本書には、「『前の自分』に戻るよりも『新しい自分』をつくり上げる」「『野菜を食べなきゃ』なんて思わなくていい」「8万円の空気清浄機が生活の質を上げる」といった、当事者ならではの実感のこもったアドバイスがたくさん詰まっている。今まさにうつ病と闘っている方はもちろん、生きづらいと感じている全ての人の参考になるに違いない。
ちなみに、デラさんは本書「はじめに」で、「今現在"底"にいる人は、文字を読むだけで疲れると思うので、この本を今すぐ閉じてください」と注意喚起している。この本をぜひ読んでほしいのは、「うつの"底"からちょっと抜けた人、あるいは、うつ病予備軍で今なら逆戻り可能な人」だそうだ。もしあなたや身近な人が当てはまったら、本書を手に取ってみては。
■目次より
はじめに
うつ病回復までの3つの過程
【LEVEL1 マインド編】
・うつ病前の自分に戻ろうとしない
・村人Aとして生きる
・他人と比べるのはコスパが悪い
・うつは、ほぼ「老い」
・感情をコントロールしない 他
【LEVEL2 思考編】
・何も考えない時間をつくる
・自分のためだけの選択をしてみる
・頭のなかにゴミ箱フォルダをつくる
・自分の振り幅を許す
・死を短期・中期・長期で考える 他
【LEVEL3 生活習慣編】
・食いたいものを食う
・小麦は食べない
・朝散歩はできなくていい
・眠れないなら起きている
・部屋は片付けなくたっていい 他
【LEVEL4 人間関係編】
・ひとりごとを言う
・思ったことを口に出す
・嫌われるのはあたりまえ
・「嫌です」と言う練習をする
・負担にならない恋愛をする 他
【LEVEL5 仕事編】
・週2のバイトで生き延びる
・収入源を複数持つ
・ドタキャンするつもりで働く
・言われた仕事だけをやる
・うつ病の人がやってはいけない仕事 他
■デラさん
ただのフリーター。1992年生まれ。愛知県出身。22歳でうつ病を発症し、現在は9年目。うつ病の感覚や気持ちを言語化したり、回復するためのノウハウを発信している。ココナラにて「うつ病彼氏の恋愛相談」の販売実績は200件を超えて高レビュー。サンクチュアリ出版のウェブマガジン「ほんよま」の人気連載「うつ病になった僕が伝えたいこと」が累計200万PVを超える(7記事/半年間の累計PV数)。
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