好きな服と似合う服は違う......。
そんなふうに、自分の気に入った服を着ることを諦めてしまっている人に、ぜひ読んでほしい1冊が『素敵なあの人特別編集 アンナ流 大人の心地よい装い』（宝島社）だ。
本書は、雑誌「素敵なあの人」創刊号から表紙を飾る、タレント・結城アンナさんのコーディネートをまとめたスタイルブック。結城さん自身が、スタイリストとしてさまざまなブランドの服や靴を取り入れながら、私物もミックスしつつコーディネートを提案する人気企画が、ついに書籍化した。
今回は本書の中身を一部お見せしながら、結城さんおすすめの秋冬コーディネートや、彼女がどんなことを意識しながらスタイリングしているのかについて紹介したい。
「好き」をファッションにも最大限に生かす結城さん。
「自分の好きなものを、自分に似合わせるための工夫。好きなテイストをどうまとめ上げたら素敵に見えるか。自分の体験をどう活かすか」が大切だという。
あくまで、軸にあるのは「自分の好きなもの」だ。好きな服と似合う服は違うから......と諦めてしまうのではなく、自分の好きな服を選んだ上で、それをより魅力的に着こなす技を見せてくれるのが結城さんのスタイリングの魅力である。
たとえば、秋冬に欠かせないニットの着こなし。
オフィス仕様になりがちなツインニットも、モヘア素材ならカジュアルな雰囲気に仕上がる。定番アイテムであるデニムパンツも、このようなモヘアのニットと合わせることでぐっと季節感が出る。同系色のニットターバンを合わせれば、カジュアルながらもワンランク上のおしゃれな印象に。
朝晩と日中の気温差が激しく、着るものに困ってしまう今の時期に重宝しそうなのが、羽織ものにストールだ。写真のジャンパーはニット素材のもので、「着ていて体が楽だし、カジュアルにもきれいめにも持っていけるから、1枚あると便利」と、結城さん。大判のストールと、ファーが印象的なバッグで華やいだ仕上がりに。
冬本番になったら、モヘアのロングカーディガンはどうだろう。「お呼ばれ服」として紹介されているこのコーディネートは、結城さんの大好きな「白」を効果的に取り入れたもの。
「白は大好きだけど、全身だとちょっと気恥ずかしいから、ニュアンスのあるモヘアのロングカーディガンをガウンのように羽織ってみました」
好きな色を、どんなふうに使えば抵抗なく着られるか。そんな視点が参考になる。
「自分の好きなものを、自分に似合わせる」。そんなコーディネートのやり方に慣れてきたら、いっけん難しそうな異素材ミックスにも挑戦してみたい。
こんなふうに落ち着いた色なら、新鮮な異素材ミックスも試しやすいかもしれない。
本書では、結城さんが提案するスタイリングを、春夏秋冬あわせて90例ものボリュームで掲載。さらに、結城さん自らイラストまで手がけた全4編のコラムも収録されている。
自分軸のおしゃれを、思い切り楽しむ。そんな彼女のライフスタイルまで、より深く知ることができる1冊だ。
■結城アンナさんプロフィール
ゆうき・あんな／タレント。ファッションに加えて、自分をいたわる暮らし方も幅広い世代に支持されている。初のレシピ本『Anna's Cookbook 季節の食卓』（主婦と生活社）が好評発売中。インスタグラム（＠ayukihouse）でも、日々の様子を発信している。2022年12月2日（金）～7日（木）の6日間、東京港区のギャラリー・ラ・リューシュにて「December Illustrations by Anna Yuki（12 月イラスト展 結城アンナ）」を開催予定。
（文・犬飼あゆむ／ライター）
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