嫁と姑にはトラブルがつきもの。料理が得意な姑・凛子と、フードスタイリストとしてバリバリ働く嫁・ユキの間にも暗雲が――!?
69歳の大型新人・御木本あかりさんが、「食」を巡る家族小説『やっかいな食卓』(小学館)を上梓した。"相性最悪"なのに、息子/夫の建の提案で同居することになってしまった凛子とユキ。同居の条件として「生活はお互い干渉しない」「食卓は別々」というルールを立てたが......?
「お義母さん、うちの子に食べ物を与えないでください」
「孫にごはんを食べさせて何が悪いんだい」
夫に先立たれた凛子は、独身の長男と暮らしていたが、その長男も事故で突然死。凛子は一人でも大丈夫と思っていたが、心配した次男の建から同居の話を持ちかけられる。
一方で、ユキ・建夫婦も懸案事項を抱えていた。それは、二人の息子・旬が最近学校へ行けていないことだった。共働きで忙しい二人は、なかなか旬のそばにいてやれない。凛子がそばにいるだけでも安心ではないかと、建はユキに提案した。
しぶしぶながら、凛子とユキは同居を認めた。ただしユキの条件は、「お互い干渉しない」ということだった。なぜなら、凛子とユキは初対面のときから"相性最悪"。干渉したらやっかいなことになるのが目に見えていたのだ。結果、凛子の家をリフォームし、リビングも、キッチンも、風呂もトイレも別に作った。
こうして幕を開けた、一触即発の同居生活。互いにギスギスし続ける中、ある日いよいよ事件が起こる。ユキと建の帰りが遅くなった夜、凛子が旬の心配をして唐揚げを作ってあげていたのだ。嬉しそうな旬と建をよそに、ユキは「これは嫌がらせだ」と思い――。家族の"食卓"はどうなっていってしまうのか!?
やっかいな家族の関係に、御木本さんが「ちょっと得意」だという美味しそうな料理が華を添える。
「よく揉むと、味が滲みて美味しくなるの」
「粉を付けてすぐに揚げると、カリッとなるのよ」
「こんな風なきつね色になったら取り出す。取り出したら、油切り皿に置いて、油はしっかり落とす。こういうところを面倒臭がっちゃ、美味しい唐揚げにならないの」
家族ドラマが楽しめて、一冊読み終える頃には料理名人に。一石二鳥の傑作だ。
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