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クラシックの曲名って、なぜ分かりにくいの?

教養としてのクラシックの名曲100 作品・楽器・作曲家のポイントがわかる!

   クラシック音楽は「難しい」というイメージがあるかもしれない。でも、実はとっても面白い!

   8月12日に発売された『教養としてのクラシックの名曲100 作品・楽器・作曲家のポイントがわかる!』(日本文芸社)は、大人の教養として押さえておきたい珠玉のクラシック名曲100曲を厳選し、知っておきたい基本と語りたくなる魅力をまとめた入門書だ。

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   「交響曲」「協奏曲」「管弦楽曲」「独奏曲」「歌劇・バレエ音楽」などから人気の名曲を掲載。これらの違いからしてわからない、という初心者はもちろん、クラシックファンが手にすると、ますます曲に対する知識と理解が深まる。つい誰かに話したくなるうんちくが満載だ。

著作権の元祖はベートーヴェン

   クラシックを小難しくしていることの一つに、曲名がある。「交響曲第7番 イ長調 作品92」だの、「交響曲第8番 ロ単調 未完成 D.759」など、番号や記号が多くて素人にはわかりにくい。

   本書では、こうした曲名の読み方についても、ていねいに教えてくれる。

   たとえば、ベートーヴェンの「英雄」。正式な名称は、「交響曲 第3番 変ホ長調「英雄」作品55」という。

   「第3番」は、その作家が書いた3曲目の交響曲という意味で、「作品55」は、その作曲家の曲のうち55番目のもの、という意味だ。ただし後者は、55番目に書かれた曲とは限らない。のちに、全作品を整理した際につけられた通し番号、分類用の番号の場合もあるという。

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クラシック音楽の曲名

   ちなみに本書によると、自作の曲を今日でいう著作権で守ろうとしたのは、ベートーヴェンが最初だそうだ。

   さらに本書では、作品のポイントや作曲された時代背景、演奏するにあたり使用される楽器、作曲家の生涯について、1作品につき1見開きで簡潔にまとめられている。

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交響曲第40番 ト短調

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組曲「アルルの女」

   全100曲のうち、一部のラインアップを紹介しよう。

4.「第5番運命」「第9番合唱付き」に続き、初心者を飽きさせない「交響曲第7番 イ長調 作品92」(ベートーヴェン)
5. 通常4楽章ある交響曲を2楽章でやめた「交響曲第8番 ロ単調 未完成 D.759」(シューベルト)
21. ソロ演奏と指揮の「弾き振り」もこなした天才の「ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K.488」(モーツアルト)
25. 演奏の聴き比べの入門としておすすめ「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64」(メンデルスゾーン)
42. オペラ・ブッファの第一人者が描いたシンデレラの歌劇「チェネレントラ」(ロッシーニ)
43. 上演に4日間かかる?楽劇「ニーベルングの指輪」(ワーグナー)
47. チェレスタの響きが愛らしいバレエ音楽「くるみ割り人形」(チャイコフスキー)
48. 河の一生を絵画的に描き、祖国愛をこめた交響詩「モルダウ」(スメタナ)
70. 考え抜かれ変化に富んだ練習曲「平均律クラヴィーア曲集」(バッハ)
82. 背景となった詩の美しさと曲想の明確さで人気の「バラード 第3番 変イ長調 作品47」(ショパン)
87. 歴史上初めてピアノのリサイタルを開いたとされるリストの「ピアノ・ソナタ ロ単調」(リスト)
88. ヴァイオリンの新しい奏法を網羅してみせた「24の奇想曲(カプリース)」(パガニーニ)

   「くるみ割り人形」や「モルダウ」など聴いたことがある曲も、うんちくを知ればより楽しめる。また、曲名からはわからないけれど、これ知ってる!という曲もあるだろう。

 このほか「作曲家年表」や「クラシック音楽最盛期19世紀のヨーロッパマップ」、「演奏会を支えるさまざまな仕事」「はじめてのクラシックコンサートの選び方」といったコラム、「紹介しきれなかった名曲10選」なども掲載している。

■目次

序章 クラシック音楽の楽しみ方 新しいものを希求してきた音楽
第1章 交響曲の名曲 クラシック音楽の"頂点"
第2章 協奏曲の名曲 変化する色彩、多楽章を楽しむ
第3章 管弦楽曲の名曲 楽器の音色に、心はずませる
第4章 器楽曲・歌曲・室内楽曲の名曲 クラシック音楽の楽しみ方
紹介しきれなかった名曲10選

   クラシック音楽のハードルをぐんと下げてくれる入門書。大人の教養としてクラシックの名曲をおさえておきたい!という方にもおすすめ。ぜひ音楽を聴きながら、楽しんで。

■監修:山本友重(やまもと・ともしげ)さんプロフィール

東京都交響楽団コンサートマスター。1969年名古屋生まれ。4歳よりヴァイオリンを始める。菊里高等学校音楽科を経て東京藝術大学音楽学部卒業。すばる弦楽四重奏団として第2回パオロ・ボルチアーニ賞コンクールで3位。大学在籍中より各地音楽祭、アンサンブルに多数参加しながら、若干22歳で東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団のコンサートマスターに就任。8年務めた後、2000年から東京都交響楽団のコンサートマスターに就任、現在に至る。アンサンブル∞(無限)主宰。福岡アクロス合奏団メンバー。

■著者:多田鏡子(ただ・きょうこ)さんプロフィール

株式会社ラルゴ音楽企画代表。1955年北海道生まれ。成蹊大学在学中よりジャズボーカリストとして音楽活動を開始。音楽ライターとしてクラシック音楽中心に執筆する他、プロデューサーとして、ジャズレーベル・スタジオトライブレコーズを運営、またホール・コンサート、ライブなどの企画運営、ラルゴボーカル教室主宰、作詞・作曲、ライブ活動など幅広く音楽に携わっている。主な著書に、『わかりやすいクラシック音楽の聴き方』(実業之日本社)、『新オペラ鑑賞事典』(有楽出版社)、『医師とトレーナーがボーカルの悩みを解消する 本』(共著、リットーミュージック)、『持ち歩き音楽記号事典』『持ち歩き楽譜がやさしく読める本』(日本文芸社)などがある。

※画像提供:日本文芸社


  • 書名 教養としてのクラシックの名曲100 作品・楽器・作曲家のポイントがわかる!
  • 監修・編集・著者名山本友重 監修
    多田鏡子 著
  • 出版社名日本文芸社
  • 出版年月日2022年8月12日
  • 定価1,870円(税込)
  • ISBN9784537220193

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