いよいよ真夏。背筋が寒くなるコンテンツに触れたい季節がやってきた。そこで今回は、今年の夏にオススメの最新ホラー小説を紹介する。
最初に紹介するのは、『よって件のごとし 三島屋変調百物語八之続』(宮部みゆき)だ。
「三島屋変調百物語」は、2010年から刊行をスタートした宮部みゆきさんが江戸怪談を描くシリーズ。その第八弾である『よって件のごとし 三島屋変調百物語八之続』は、恐ろしいけれど切ない三篇を収録したホラー短編集。話をけっして外に漏らさない神田の袋物屋・三島屋の風変わりな百物語。その休止前最後の語り手は、商人風の老人と目の見えない彼の妻だった。老人はかつて暮らした村でおきた「ひとでなし」にまつわる顛末を語りだす――。宮部さん曰く「念願のゾンビものを書くことができ」たという。
続いておススメするのは『煉獄蝶々』(岩井志麻子)。
日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞を受賞、直木賞候補にもなり、ホラー小説の分野で輝かしい実績を残してきた岩井志麻子さん。その岩井さんの最新作『煉獄蝶々』は、岡山とシンガポールを舞台に、いまわしい蝶の幻影が記憶と心を侵蝕していく長編ホラーだ。昭和三年の岡山。名家の養⼦・大鹿保和に、失踪中の作家から「妻を殺して蘇らせた」という内容の手記が届く。これは創作、それとも真実? 保和は作家夫妻が逗留しているシンガポールに向かうが...。夢と現実が混ざり合う岡山無惨浪漫紀行を楽しもう!
3つ目に紹介するのは、『あさとほ』(新名智)だ。
2021年、綾辻行人さん、辻村深月さんら選考委員の絶賛を受けて横溝正史ミステリ&ホラー大賞からデビューした新鋭ホラー作家・新名智さんの第二作。平安時代に存在したがその後失われた物語「あさとほ」。その物語を読んだ者は、消える――。幼い日に双子の妹が目の前で「消える」のを目撃した大学生・夏日は、唯一記憶を共有する幼馴染・明人とともに、「あさとほ」について調べ始めるが......。静かで美しい恐怖にじわじわと侵食されていくホラーミステリだ。
最後に紹介するのは、『アナベル・リイ』(小池真理子)だ。
昨年、『神よ憐れみたまえ』『月夜の森の梟』の2作で大反響を呼んだ小池真理子さんの最新作。老いた女・悦子が、ある女とその亡霊との関わりを振り返る幻想怪奇小説だ。1978年、悦子はアルバイト先のバーで、舞台女優の夢を持つ若い女・千佳代と出会った。彼女は悦子を「えっちゃん」と呼び、特別な友人となった。しかし、千佳代は恋人の色男・飯沼と入籍して間もなく、病に倒れて死んでしまう。千佳代亡きあと、悦子が飯沼への恋心を解き放つと、彼女の亡霊が現れるようになり――。美しく妖しいゴーストストーリー。
いずれも体感気温を大きく下げてくれるに違いない名作ばかり。今年の夏はホラーで乗り切ろう!
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