私のことを憶えていますか
あの子は私のことを憶えているだろうか。
私は忘れて生きてきた。20年近く、あの子のことを思い出すことなく――。
しかし、30歳になった誕生日の朝、分かってしまったのだ。
自分が無意識に好きだった男の顔は全員、初恋のあの子と似ていたことを......。
ピッコマの人気作品『私のことを憶えていますか』は、年下の男の子との淡い初恋の記憶と、その男の子に似ている推しのアイドルをめぐるラブコメ漫画だ。
都会に出て忙しく暮らしているうちに、私はいつの間にか30歳になっていた――。
ゴシップニュースサイトで芸能ライターとして働く遥は、ついに30歳の誕生日を迎え、職場の先輩たちから「これであなたも私たちの仲間入りだね」「ようこそ30代へ」と、コンビニのケーキで祝福を受けていた。ところが、そこに驚きのニュースが入る。
「エッ、SORAが熱愛!?」。アイドル時代から追いかけている推しの俳優・SORAに熱愛報道が出たという。相手はグラビアアイドルで、お泊まり愛4連泊......。しかも、自分で推しの熱愛記事を担当することに。
「あんな胸でかいだけの頭カラッポ女!? やだやだやだ絶対ウソ――ッ!」
「なんだよお泊まり愛て。愛なんかねぇわ‼ こんなの遊びだセ○レだどう見ても!!」
そんな風に嘆きながらも、記事作り中にSORAの顔の良さを再確認する遥。「やっぱかっこいいなSORAは......」。すると、先輩から「はるかちゃんこういう顔好きだよね―」と、好みの系統がはっきりしていることを指摘される。
遥の好みは、男性ホルモンを感じさせない、目が大きくて二重の女顔。つまり、少年ぽい顔だ。しかし、先輩から聞かれた「はるかちゃん、なんでこの顔好きなの?」という問いに、遥は答えられなかった。言われてみれば、なんでこの顔が好きなんだろう――?
徹夜の仕事を終え、朝帰りの道中。遥は「なぜ自分は少年ぽい顔が好きなのか」ということについてぼんやりと考えていた。
世の中には色んなタイプのイケメンがいるし、芸能ライターの遥は仕事で大量のイケメンと接している。でも、好きになるのはいつも同じタイプだ。思い返せば、大学の時付き合っていた男も、高校生の時好きだった先輩も、同じタイプのイケメンだったような――。
その時、遥の横を小学生の集団が通っていった。そしてその中の1人が持っていたスーパーボールを目にして、遥は18年前に親しかった「こうちゃん」の存在を思い出す。そうだ......私の好きな顔のタイプ、「こうちゃん」に似てるんだ......!
「こうちゃん」のことをもっと思い出すため、地元でワイナリーを営む幼なじみの猫作に話を聞くと、より細かな記憶が蘇ってきた。近所に住んでいた吉田家の次男で、一緒に夏祭りにも行き、途中で引っ越していった「こうちゃん」との思い出が。
引っ越しの当日、遥の家に別れを告げに来た「こうちゃん」は、夏祭りで手に入れたスーパーボールをプレゼントとして遥に渡し、こう言った。「ぼく、ぼくね......学校に好きな人がいるの」と。「誰?」と聞くと、「こうちゃん」は、無言で遥の方を指さした――。
ふとしたきっかけから思い出した淡い初恋の記憶。あの時やり残したことを、今ならできるかもしれない――。忘れかけていたピュアな気持ちを思い出す、切ないラブストーリー。
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