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【試し読み】もう女として終わりなのかなと思うと悲しい......。『誰にも言えない 夫婦の悩み相談室』(1)

誰にも言えない 夫婦の悩み相談室

 3000人の女性の悩みを解決してきたパートナーシップと性のカウンセラー・小野美世さんの『誰にも言えない 夫婦の悩み相談室』(WAVE出版)は、セックスレスや不倫の悩みに対する「優しい答え」をくれる1冊。

 夫にセックスを拒否されてつらい、みじめだ、もう女として終わりなのかなと思うと悲しい......と感じている人。「悩んでいるのは、あなただけじゃない」ことを、知ってほしい。

 じつは日本の夫婦の半数以上、中高年夫婦の7割がセックスレスと言われているという。小野さんのもとに寄せられる相談も、最も多いのが「セックスレス」の悩み。

 BOOKウォッチでは、本書の【試し読み】をお届けしていく(全3回)。1回目は、「セックスを拒否されてつらい妻」に向けたアドバイスをピックアップ。自分だけじゃないのか、こんなふうに落としどころを見つけたらいいのか、と思えるだろう。


(以下、本文より)

女として魅力がある、と思わせてほしい

 どんなときに、あなたは自分を女だなぁって感じますか? セックスをしているとき? 子供と触れあいながら、ゆったり過ごしているとき? おしゃれをしているとき? スカートの裾がふわっと風に揺れるとき? 彼に頭をなでてもらうとき? きれいにネイルされた指先を見るとき?

 ただセックスをするだけでは物足りなくて、彼に求められることで、自分は女として魅力があるんだ、自信を持っていいんだと確認していることも、あるかもしれません。

 でもこれには危険な落とし穴があり、「求められない=女として魅力がない、自信が持てない」となってしまうことが多いのです。

 自分は女としての魅力に本当は自信がない。だからセックスという行為を通じて安心させてほしい、と切望しているので、よけいにセックスレスのつらさが増してしまいます。

 ということは、セックスが必要というよりも、例えば、パートナーに「可愛いね」「素敵だね」って言ってもらう機会を作るだけでも、気持ちは満たされるかもしれません。

 私がカウンセラーとして経験してきたことから申し上げると、パートナーとのセックスレスで悩んでいる女性の約7割は、「セックスを、愛されている証拠にしていないか?」「セックスで自分の女としての魅力を確認していないか?」と自分に問いかけていくことで、気持ちがある程度収まっていきます。彼がセックス以外の方法で自分を愛してくれていることを知ったり、自分の女としての自信はセックス以外のことで持ってもいいとわかってくるからです。

 あとの3割は、「セックスという行為を通じて愛情を確認したい性質」が強い女性たちです。セックスをすることで女としての自分を感じるのが好き、という方たちなのです。これはこれでいいのです。自分の性質をしっかり知ることがとても大事です。

夫はしたくない、私はしたい。もうどうにもならない?

 これまでにたくさんの女性から、「セックスを拒否されているつらさ」をお聞きしてきました。その女性たちのお話を通して、「拒否している男性の言動」もまた、たくさん伝わってきます。

 男性側の断り文句は様々です。「そんな気にならないから」「そっとしておいてほしい」「そう言われると、よけいにする気がなくなる」「そのうちね」というのに始まり、「もうそういうふうに見られない」「明日も仕事だし」「腰が痛いから」「子供が起きているから」「子供が寝てるから」。果ては、「夏で暑いから」「冬で寒いから」と、いろんな言葉が出てきます。「(君が)気持ちを殺せ」と夫が言い放ったという例もあります。

 つまるところ、「したくない」と思う夫が考えているのは、「この話題が出なければいいのに」「この話題を聞きたくない」「この話題が出ませんように」ということなんだなぁと感じます。

 ですから、「これを言っておけば、しばらくこの話題が出ないんじゃないか」「こう言えば、妻はこの話題をもう出しにくくなるんじゃないか」と思うようなことを言います。

 「したくない夫たち」は、妻とのコミュニケーションからただ逃げているのです。ここが、私にメッセージをくださる「したくない女性たち」とは違うところです。

 こういうご夫婦の間では、ただ時間が過ぎていくだけになることが多いのです。妻は、人生にスキンシップやセックスがあってほしい。夫にとっては、それはなくても別にいい。そのことなら、これまでにたくさん話し合った。気持ちも伝えた。相手の気持ちも聞いた。でも、どうにもならない。──現実にそういう場合も多々あります。

 そんなときには、私はカウンセラーとして、「これまでたくさんがんばってこられましたね。もう十分に、自分にできることをされたと思います。これからは、自分の性質を大切にした生き方をしてもいいんじゃないでしょうか?」とお伝えします。

 そして離婚を選ぶ方もいれば、夫婦関係はそのままにして、婚外に身体のパートナーを持つ方もいます。子供の親としての責任を果たして、夫婦はただシェアメイトのように暮らす場合もあります。

 昔だったら、生活のため、子供のために、これからの長い人生においてずっと、スキンシップやセックスという、自分の幸せを作ってくれるものがなくても「ただ、我慢する」という選択しかありませんでした。我慢して当たり前だと、女性に求められていたと思います。

 でも、自分を一方的に犠牲にし続けるって、どうなんだろう。新たな幸せの形を探してはいけないのだろうか。と考える女性たちが増えています。既婚女性の恋愛も近年とみに増えていますが、その裏には、もう自分だけが犠牲になることをやめたいという、切なる思いがあるように感じます。

 もうこれ以上はどうにもならないなぁと判断したとき、新しい選択のステージがやってくるのではないでしょうか。

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 「【試し読み】既婚者だって、異性にアプローチされたら......。『誰にも言えない 夫婦の悩み相談室』(2)」もお楽しみに。


■小野美世さんプロフィール

 パートナーシップと性のカウンセラー。愛知県生まれ。京都在住。2児の母。結婚前に経験したセックスレス(拒否される側)の悩みを機に、カウンセリングの世界と出会う。2013年、心屋塾認定講師となり、性・セックス・夫婦関係などのカウンセリングやセミナーを行っている。性に関する真摯なブログには、「読むだけで楽になった」「性の悩みへの優しい回答が書いてある」という声が多くの女性たちから届いている。これまでアドバイスしてきた女性約3000人のケースを元に、本書を上梓。


※画像提供:WAVE出版


 
  • 書名 誰にも言えない 夫婦の悩み相談室
  • 監修・編集・著者名小野 美世 著
  • 出版社名WAVE出版
  • 出版年月日2019年11月20日
  • 定価1,650円(税込)
  • 判型・ページ数四六判・240ページ
  • ISBN9784866212418

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