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元ゴキブリ嫌いが、ゴキブリ研究者になった。"彼ら"の知られざる魅力とは

ゴキブリ研究はじめました

 静岡県の昆虫館「竜洋昆虫自然観察公園」には、「ゴキブリスト」を名乗るゴキブリ研究者がいる。ゴキブリストこと柳澤静磨さんは、昆虫館の職員として働くかたわら、数万匹のゴキブリを飼育し、つぎつぎに新種のゴキブリを見つけるなど、精力的に研究をおこなっている。

 嫌われものの代表格、ゴキブリ。実は柳澤さんも、かつては図鑑のゴキブリのページをセロハンテープで貼り合わせてしまうほどゴキブリが大の苦手だった。そんな柳澤さんが、なぜゴキブリ研究に目覚めたのだろうか。

 柳澤さんが"ゴキブリ沼"に落ち、研究者として奮闘する道のりをまとめた本『ゴキブリ研究はじめました』(イースト・プレス)が2022年7月7日に発売される。現在、全国の書店と各オンラインストアで予約受付中だ。


 「ゴキブリなんて絶滅すればいいのに!」と思うくらい、ゴキブリを嫌っている人もいるだろう。でも柳澤さんに言わせれば、ゴキブリには、「害虫」としてだけではないステキな一面があるそうだ。

 さまざまなものを食べる雑食だから、朽ち木や落ち葉などを食べて「分解者」として活躍していたり、よく知られたあの姿とは一味違う、バリエーション豊かな外見や生態があったり。柳澤さんがハマった、ゴキブリの知られざる魅力とは。

 「世界最大のゴキブリ」「クセになるゴキブリの匂い」「ゴキブリを食べてみた」などインパクト大なトリビアから、昆虫館でのゴキブリ展、新種発見の奮闘記まで、柳澤さんの「ゴキブリスト」っぷりが満載の一冊。この本を読めば、いままでは彼らの登場に悲鳴を上げていたあなたも、次は挨拶してあげるくらいの余裕がもてるかも。


■目次
第1章 ゴキブリはなぜ嫌われるのか
・実はカマキリの親戚、ゴキブリ
・ゴキブリが嫌われる理由
【コラム】幸福を呼ぶ「白いゴキブリ」?

第2章 ゴキブリを知る
・「家に出るゴキブリ」は何者か?
・「家に出ないゴキブリ」はたくさんいる
・ゴキブリの都市伝説 など
【コラム】みんな大好き「ごきぶりホイホイ」

第3章 ゴキブリ嫌い、ゴキブリの道へ
・ゴキブリ嫌いの虫とり少年
・生き物好きの天職、昆虫館職員
・ゴキブリは事務所で飼わないでください など
【コラム】あぁクセになる、ゴキブリの匂い

第4章 ゴキブリ飼育はトライ・アンド・エラー
・手探りの飼育環境づくり
・脱走を防げ!
・ゴキブリの生涯 など
【コラム】ゴキブリは何を食べる?
【コラム】ゴキブリを食べてみた

第5章 いざ、ゴキブリ展
・思いつきと企画
・実施に向けて
・ゴキブリが映えるステージをつくれ!
・企画展、開始
【コラム】ゴキブリの鳴き声

第6章 ゴキブリ研究はじめました
・二度目の沖縄、与那国島
・探せ、謎のゴキブリ!
・ゴキブリ標本はコツがいる など
【コラム】ゴキブリ標本の作りかた

第7章 ゴキブリは、嫌われてるからおもしろい
・記載論文を書く
・新種に名前をつける
・いざ、投稿
・35年ぶり、新種ゴキブリの記載 など
【コラム】新種の発見はお金になる?

番外編 第4のルリゴキブリ

付録 まだまだいるぞ! 世界のゴキブリ
・まるで宝石! ニジイロゴキブリ
・ゴキブリ界のダックスフンド! ヒカリモンゴキブリ
・とにかくかわいい! ムツボシテンダマゴキブリ
・世界最大! マンモスゴキブリ など

■柳澤静磨(やなぎさわ・しずま)さんプロフィール
1995年生まれ、東京都出身。幼いころから生き物が好きで、専門学校卒業後は静岡県の昆虫館・磐田市竜洋昆虫自然観察公園に入職。ゴキブリの魅力に気づいた後は同園で『ゴキブリ展』を企画・運営し、「GKB総選挙」などのユニークな催しで注目を集める。2020年、所属する研究チームとともに、35年ぶりとなる日本産ゴキブリの新種・ウスオビルリゴキブリ、アカボシルリゴキブリの2種を発表。その後、ベニエリルリゴキブリ、イツツボシルリゴキブリ、アカズミゴキブリについても記載を行うなど、ゴキブリ研究を続けている。企画展示、講演会、SNSやブログを通じ、ゴキブリの魅力、生物保全の重要性について発信を行っている。


※画像提供:イースト・プレス


  
  • 書名 ゴキブリ研究はじめました
  • 監修・編集・著者名柳澤静磨 著
  • 出版社名イースト・プレス
  • 出版年月日2022年7月 7日
  • 定価1,650円(税込)
  • 判型・ページ数四六判並製・192ページ
  • ISBN9784781620954

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