えっ!? 自分、「夢」がないやて?
ほな「夢の見つけ方」教えたろか。
2022年5月19日、文響社より、『夢をかなえるゾウ0 ガネーシャと夢を食べるバク』(水野敬也)が発売された。
『夢をかなえるゾウ0』は、累計460万部突破「日本一読まれている自己啓発小説」とされる「夢をかなえるゾウ」シリーズの最新作。シリーズの原点である本作では、平凡な上に「夢がない」会社員に、シリーズお馴染みのインドの神様・ガネーシャが、「夢とは何か?」「夢は本当に必要なのか?」を教えてくれる。
しかしこの内容は、どんな意味で「シリーズの原点」なのだろうか。
ベストセラーになり、テレビドラマ化、舞台化、アニメ化までされたシリーズ第一作『夢をかなえるゾウ』は、有名社長や芸能人、華やかな人たちが集まるパーティに参加し、みじめな思いをした平凡な会社員のもとにガネーシャがやってきて、独自の方法によって成功に導く......という内容だった。
注目したいのは、その終盤、成功するための方法=夢をかなえる方法を教えてきたガネーシャが「成功だけが人生じゃない」と言う部分だ。自己啓発のハシゴを外すような言葉だが、ここには、成功する方法をただ教えるだけでなく、「そもそも成功とは何なのか」についても考えさせてくれるという、シリーズの特徴が見事に表れている。
このテーマは、売れないお笑い芸人が主人公の『夢をかなえるゾウ2』や、仕事も恋もあきらめきれない女性社員が主人公の『夢をかなえるゾウ3』、主人公が医者から「余命3か月」を宣告されるところから始まる『夢をかなえるゾウ4』でも一貫して描かれてきた。そして、シリーズ最新作で取り上げられる「夢はなぜ必要なのか」は、いわばこのテーマにおける究極の問いだ。
作者である水野さんは、この問いにどう答えたのか――。シリーズファンのみならず、多くの人に興味を持たせる1冊だ。
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