お金を貰って旅行して、その感想を言葉で表現するのが仕事――。一見、誰もが羨む仕事である旅行ライター。その実態を、第一線で活躍する現役ライターが解説!
2022年4月14日、青弓社より、『旅行ライターになろう!』(野添ちかこ)が発売された。
著者の野添ちかこさんは、23歳のときに観光の業界新聞記者になり、テレビ局、ウェブ制作会社などを経て2006年に独立。温泉・宿、旅の情報を発信している、フリー歴16年の現役旅行ライターだ。本書では、その野添さんが旅行ライターの実際を紹介する。
扱われるテーマは、「仕事でも旅行するのは楽しい?」「旅行ライター一本で食べていける?」といった基本的なことから、「出版社に所属するかフリーか?」「個人事業主か法人化か?」などの駆け出しライターが知りたい部分の実際を自身の経験から語り、「雑誌記事とウェブ記事での書き分け方」「文字単価X円の格安ウェブライターから脱するには」「インターネットでは探せない価値ある記事を書くためには」といった実務で役立つ知識まで。旅行ライターから始まって、観光・温泉の専門家としての講演やメディア出演、旅行プランの企画・販売など、柔軟に仕事の幅を広げていった著者の経験も紹介する。
また、さまざまな出自から旅行ライターとして仕事を始めた3人の女性――旅行ウェブメディア「旅恋」の立ち上げ人・関屋淳子さん、Twitterでの発信がきっかけでライターデビューした永井千晴さん、ウェブサイト制作者をしながら旅行ライターとしても活躍する和田亜希子さんのインタビューも所収している。
「旅」と「書くこと」を一生の仕事にしたい。街を歩き美しい風景や人に出会い、その魅力を伝えることを一生の仕事にしたい――。そんな「旅行ライター」志望者の最初の一歩に最適な入門書だ。
目次
はじめに
第1章 旅行ライターへの道
1 一億総旅行ライターの時代がやってきた
2 職業としての旅行ライターとは
3 旅行ライターになる方法
4 旅行ライターの位置付け
5 フリーランスになるか、会社所属か
6 旅行ライターとして活躍する人たち
7 旅の原点は「聖地巡礼」と「湯治」
第2章 私はこうして旅行ライターになった
1 銀行員から業界紙記者へ
2 旅行作家の会との関わり
3 転職から独立へ
4 独立するときにやったこと
5 法人化の心構え
6 セルフブランディングの重要性
7 ライターと編集者の違い
8 毎年変わる仕事の中身
第3章 旅行ライターの仕事のリアル
1 旅行ライターは旅に出るのが仕事?
2 旅行ライターのある一週間
3 旅行ライターの仕事術
4 旅行ライターの仕事道具
5 タダで旅ができるのが旅行ライターなのか?
第4章 旅行ライターの活躍の場
1 どんな媒体があるのか
2 旅行記事の種類
3 昨今の旅行ライター事情
4 経験し、自分の強みを生かす
第5章 旅行ライターはここがおもしろい
1 人に喜んでもらってなんぼの商売
2 観光業の裾野の広さ
3 知らなかった日本を知る
4 独自の切り口で原稿を書くには
5 写真の醍醐味
6 一期一会の出会いこそが宝物
第6章 文章力と運を味方につける
1 文章力をつける
2 ガイドブックや旅行誌に求められるもの
3 ウェブ記事に求められるもの
4 新聞記事に求められるもの
5 営業活動は有効か
6 タイミングよく自分に合う仕事がやってくる
第7章 時代の変化にどう対応するか
1 雑誌が売れない時代
2 ガイドブックや旅行誌はなくなるのか
3 「行かずに書く」問題
4 「著作権」「二次使用料」は死語になったのか?
5 出版をめぐるトラブル
6 旅行ライターの懐事情
7 共感とあこがれ――旅行系インフルエンサーの躍進
8 いまの時代の旅行ライターに必要なもの
9 副業から複業の時代へ
第8章 ウィズコロナの時代の旅の仕事
1 コロナは旅にどのような影響を及ぼしたか
2 草津温泉の湯畑から観光客が消えた日
3 もとに戻ることはないことを認識する
4 青い鳥に気づいた「生活観光」「暮らし観光」
5 ウィズコロナの時代の旅のトレンド
6 インバウンド客はいつ戻ってくるのか
第9章 「旅」を通じて社会ともっとつながる
1 地域磨き、宿磨きの応援団
2 ライターの仕事を横展開する
3 目指すは言霊使い
4 できることを増やす
参照した文献・ウェブサイト一覧
おわりに
著者プロフィール
野添 ちかこ(ノゾエ チカコ)(著)
1972年、神奈川県生まれ。短期大学卒業後、東京銀行(現・三菱UFJ銀行)入行。23歳のときに観光の業界新聞記者になり、テレビ局、ウェブ制作会社などを経て2006年に独立。温泉・宿、旅の情報を発信。3つ星温泉ソムリエ、温泉入浴指導員・温泉利用指導者、温泉指南役、健康と温泉フォーラム研究員、宿のミカタプロジェクトチーフ・プロデューサー、熊野古道女子部副部長、岐阜県中部山岳国立公園活性化推進協議会顧問、日本健康開発財団評議員。著書に『千葉の湯めぐり――温泉ソムリエが選んだ58湯』(幹書房)、共著に『カラダの中からキレイになる宿』(JTBパブリッシング)など。
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